<マスターズ 最終日◇9日◇オーガスタ・ナショナルGC(7,435ヤード・パー72)>
松山英樹の7度目の「マスターズ」挑戦は19位に終わった。「期待はゼロ」と大会前に話していたとおり、初日から見せ場をつくることができなかった。世界のトップのみが集まる場でこの成績なら悪くはないが、松山の胸の中にはどんな気持ちが去来したのだろう。
世界NO.1の呼び声も…松山英樹の2018年スイング連続写真
上位進出も厳しい状況で、この日は序盤からチャージをかけた。2番のパー5では3打目を1メートルにつけてバーディを奪うと、3番パー4でもセカンドを1.5メートルにつけてバーディ。4番こそボギーとするも、5番で再びバーディ。8番のパー5でもスコアを伸ばし、後半に突入。パーを並べる展開に苦しんだが、トータル3アンダーでアンダーパーフィニッシュを決めた。
「調子が悪いながらも4日間できた。4日間できるのは想像していなかったし、かたや、できるんじゃないかという自分もいました」
と、正直に複雑な気持ちを吐露。ケガ、調整不足、不安のなかでの試合でも納得とはいかないまでも結果は残した。それでも、どこかで自分に期待したい気持ちを持ち続けていた。4日間通して、静かに今の自分との戦いに終始した結果の19位。目を閉じて、現状を受け入れた。
大会最終日がこれから佳境を迎えようとしている、はるか前の取材対応。
「最終組が9番にいるようなところで、こうやってインタビューを受けるような状況じゃ到底納得はできません」
結果を受け入れようという気持ちと、受け入れたくない気持ち。2つの気持ちが入り交じった複雑な表情に終始したが、素直な気持ちを丁寧に並べた。気になる左手のケガについては、「痛みが出ないために、どうやっていけばいいのか。練習がしっかりできれば調子も上向いてくるかなという感じです」と、まずはトレーニングを重ね、数週間は試合から遠ざかることも明らかにした。
「小手先ゴルフでよくここまでやっていると思う。けどそういうのではなく、しっかりしたものをつくらないとここでは勝てない」
みなが夢見る舞台での初優勝は、今年も翌年に持ち越し。「勝てなかった時点で悔いはあります。すべてに課題が残りました」と、栄冠への道はまだまだ続く。苦しみを抜けた先にこそ、目標とするメジャー制覇が見えてくる。(文・高桑均)
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