<東建ホームメイトカップ 2日目◇13日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(7,081ヤード・パー71)>
「まだ満足できる内容ではありません」。そう言葉にしながらも、2日目を終えた石川遼の表情は、昨日よりも清々として見えた。
【LIVE写真】今季から男子ツアーの写真もライブ配信!
8アンダー・単独首位から出た2日目。何列にもなってグリーンを囲むギャラリーを前に、初日に続いてバーディ発進で盛り上げる。4番・パー5では、ティショットを右の植え込みに入れ、2打目は後方へ出すだけ。3打目はピンを8メートルほどオーバーしたが、パーパットをきれいに沈めて大歓声。ピンチを迎えても「まだまだ諦めない」と力強いガッツポーズを見せた。
初日に続いてのノーボギーラウンドとはならなかったが、5バーディ・2ボギーの「68」。後続に4打差をつけ、トータル11アンダー・単独首位で週末を迎える。
「今、ここに帰ってきている意味を自分で考えながらやっている。選手会長の立場などは別として、プレーヤーとして日本に戻ろうと自分で判断した」。優勝争いを目前に語ったのは、国内ツアーに戻ってきたことへの覚悟だった。
オフシーズン明けで、初の実戦として出場した地区オープンは、石川に大きな変化をもたらした。「千葉オープンは、正直かなり手がしびれて、体もガチガチ。そんな経験を3、4年ぶりにして、本当に出てよかったと思った。次の岐阜オープンの優勝争いでは、それにすぐ慣れて自分のパフォーマンスができた」
久々の優勝争いは、国内ツアーで目指すべき形の輪郭をわずかに浮かび上がらせた。
「優勝争いの中で勝っていく経験を、どんどん重ねていくこと。今は守りに入ろうとする自分と戦っている。今後10年で世界トップ(の舞台)でやりたいと思っているので、確実に必要になる要素だと思う」。地区オープンでの2勝を経てつかみかけた手ごたえを、今大会の勝利でより確かなものとする。(文・谷口愛純)
<ゴルフ情報ALBA.Net>