<パナソニックオープン 最終日◇22日◇茨木カンツリー倶楽部・西コース(7,343ヤード・パー71)>
4位の副産物は大きかった。首位と6打差の14位タイから出た川村昌弘は、4バーディ・ノーボギーの「67」と追い上げを見せて、トータル10アンダー・4位タイでフィニッシュ。5年前に初優勝を遂げた相性のいいコースでツアー2勝目とはいかなかったが、アジアンツアーのシード確定、そして次週、欧州ツアーとアジアンツアーの共催試合「ボルボチャイナオープン」の出場権を得た。
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上位陣が伸び悩む中、10番までに3つ伸ばした川村は、首位と2打差に詰め寄っていた。「優勝の可能性もあるのかと思ってプレーをしていましたが、ショットのチャンスにつかなかったし、自分の日ではなかったですね」と振り返る。それでも18番(パー5)をバーディ締めで4位タイに食い込んだ。
今大会は日本とアジアンツアーとの共同主管試合のため、アジアンツアーメンバーの川村は両ツアーに賞金が加算される。昨季は賞金ランキング76位でアジアのシード権を喪失したが、今季、「レオパレス21ミャンマーオープン」8位タイなどと合わせて、例年のボーダーラインをクリア。シード権復活を確定させた。
それだけではなかった。「トップ5以内だから、来週の試合も出られるかも」。そう気がついて調べたところ、“パナソニックオープンの5位タイ以内”の出場カテゴリーがあり、「ボルボチャイナオープン」の出場資格が発生していたことが分かった。今季は欧州ツアーのメンバーにも登録しており、欧州ツアーの賞金も加算されるチャンスをつかんだ。
次週に愛知県で開幕する日本ツアー「中日クラウンズ」は、隣県・三重出身の川村にとってなじみ深い試合だが、「地元の大会ですし、いろいろな方に迷惑をかけるかも知れませんが、調子がいいときに行った方がいい。中国に行こうと思います」。後ろ髪を引かれる思いで苦渋の選択をした。
2013年のアジアンツアーとの共同主管試合「アジアパシフィックパナソニックオープン」の優勝を足がかりに、アジア、欧州と世界中でプレーを続ける。昨季は18カ国でプレーをした。世界を旅しながらゴルフをするのが川村の楽しみでもある。「これからバタバタしますが、いってきます!」。忙しさに笑みを浮かべながらコースを後にした。(文・小高拓)
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