先週行われた「日本ゴルフツアー選手権」で予選落ちとなった石川遼。昨年の「日本オープン」で国内復帰後、5戦連続で予選落ちとなったが、連続での予選落ちはそれ以来となる。
【スイング連続写真】2007年&2010年の石川遼のスイング比較
日本ゴルフツアー選手権では、「『自分で今やっていることは正しい』と思っていくのが難しくなってくる」と、うまくいかないスイング改善に不安を口にしたが、石川が求めているものはどこにあるのか?第2ラウンドを終えて、その明確な改善点を明かした。「前に腰を痛めてから、インパクトからフォローにかけて腰を使えずに手先で飛ばしていた。その癖が抜けていない」という。
米国男子ツアーに本格参戦し始めた2013年ごろから腰痛に苦しめられた。「腰を痛める前と後のスイングを比べると、明らかに痛めた後はフォローが小さくなっていて、フェースを返すのが早くなっている。腰や股関節が痛くなるのを嫌がって、腰が止まってしまっていた」。痛めた部分に負担をかけないようにするうちに、スイングがおかしくなってしまった。
国内ツアーに復帰する以前、石川が自分のベストな状態として挙げたのが、2010年のスイング。「自分的に一番いいスイングをしていたと思うのは、やっぱり10年。このトップの形はいいですね。一瞬、別人かと思いました」。一番いいスイングをしていたという10年は、それを裏付けるように国内ツアーで3勝の成績を収めている。さらに、プロ入り前の07年のスイングについても「フォローの左腕もピーンと、これ以上ないっていうところまで伸びていますね」と違いを語っていた。
「体をめいっぱい使って、飛ばせるところまで飛ばしてやろう、というのがこの(07年の)時期。今この動きができたら飛ぶなと思う」と語っている。一方で、ツアー選手権終了後には、「練習用と試合用のスイングがかけ離れている。練習用のスイングだと、飛ばない感じがして、手を返してしまう」と思うように振れない理由を口にした。300ヤードの飛ばしが当たり前となっている世界を痛感した5年間で、“飛ばそう”という意識が先走ってしまうのか、どうしても試合では悪い癖が出てしまう。
ツアー選手権では「目先の結果が出ないというのは、スポーツ選手としてはけっこうきつい。腰の痛みを怖がらずにいいスイングを作り上げていきたい」とこぼした石川。国内復帰をしてから、何度も自身のスイングの状態を口にしてきた。今は思うように進めずにいるだけに、意識はどんどん“いいスイングを作ること”にのめりこんでいく。プロデビュー直後の「一番いいスイング」をしていたころのように、思い切りよく進むことができれば、道は開けるのかもしれない。
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