<カストロールレディース 事前情報◇24日◇富士OGMゴルフクラブ 市原コース(6,473ヤード・パー72)>
窮地を力に変える!プロテスト初日が行われたこの日、昨年のプロテスト合格者の一人、井上りこは、猛暑に包まれたコースでプロアマ戦出場、ショット練習など精力的に汗を流した。
プロアマ前夜祭にて…ドレス姿で笑顔を見せる井上りこ
プロアマ戦のラウンド後。まだ汗もひかない井上は「本当に優勝したいです」とその気持ちを口にした。もちろん、優勝したくない選手など一人もいない。しかし、井上にはより強くそう思う理由があった。それは、「優勝しないと後半戦の出場資格がなくなる」というものだ。
昨年のプロテストを12位タイという成績で通過した井上。しかし、その年のQTは195位と結果を残せず、現在は、プロテスト合格者に与えられるステップ出場権で参戦を続けている。その期限は1年間で、今大会がその期限最後の大会となる。ステップで優勝すれば、さらに1年間の出場資格が与えられるため、「本当に優勝したい」という思いはひとしおだ。
昨年の 7月25日〜28日に行われた最終プロテスト。2回目の挑戦で、晴れて合格した井上だったが、その直後から極度のスランプに見舞われた。「それまで予選落ちはあまりしなかった」というステップで、5戦連続の予選落ち。ショットもパターも何かが狂い「37パットを叩いたりしていました」と全く結果が残せなくなった。
「プロとして成績を残さないといけない」というプレッシャーや、“黄金世代”と呼ばれる世代の同期として注目を集めたことなどが、井上のリズムを狂わせた。その絶不調のなか迎えたQTで“惨敗”。晴れやかなはずの船出は、いきなりの大波に襲われた。
それでもオフのトレーニングなどで、プレーを見つめ直し、今季の予選落ちはわずかに12試合中2試合と回復傾向は見せている。しかし、最高順位は「ダイクレレディースカップ」の9位タイ。さらにそれも含めトップ20に入る試合は6試合あるも、優勝には手が届いていない。その間にもタイムリミットは刻々と近づいていった。
「初日にいいスコアを出して、それが続かないことが多い」。この“安定し過ぎた”成績の理由を井上はこう話す。開幕戦の「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース」初日は1位タイスタートも、2日目に「77」を叩き14位タイに終わった。今季の井上の1R平均ストロークは「73.0012」で4位タイ。しかし2Rは47位、3Rは37位と、この数字を見ても2日目以降のスコアメイクに苦しんでいることが分かる。
しかしその状況は今大会で打破したい。今大会のホステスプロでもある井上は、「ホステスとしては初めて迎える大会なので優勝したいです。後半戦の出場権もかかってますし(笑)調子は悪くないので、大事に焦らずいきたい」と意気込んだ。背水の陣を敷く25歳が、1勝で2度嬉しい勝利をつかむため、明日からの2日間に全力をぶつける。(文・間宮輝憲)
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