<カストロールレディース 事前情報◇24日◇富士OGMゴルフクラブ 市原コース(6,473ヤード・パー72)>
ホステスプロとして今季6試合目のステップ・アップ・ツアーに臨む馬場由美子。今年の4月に大学入学を果たした33歳の“女子大生プロ”は、クラブとパソコンを携え、カストロールレディースの2日間を戦う。
プロアマ前夜祭で笑顔をうかべる馬場由美子
明るい笑顔でアマチュア選手と話す馬場。プロアマ戦で、コースの感触も確かめながらプレーをしたが、その前に実はすでに一仕事を終えていた。「朝4時30分に起きて、2時間ほどレポートを作っていました」。馬場は現在プロゴルファーとは別に、早稲田大学人間科学部に通う大学1年生という顔も持つ。聞くと、今月末までに課題として5000字と4800字のレポート提出があり、現在絶賛着手中なんだとか。この二足のワラジを履く生活は「忙しい」と言うものの、「充実しています。勉強することでゴルフもこれまでとは別の見方ができる」と、その顔は笑みがあふれている。
通信制で学んでいる馬場は、パソコンで授業を受けたり、課題を行うため、練習中や試合会場ではまず「WiFi環境からチェックします」というのが、最近のルーティンになりつつある。そして、試合・練習前や試合後には、コースから机へと戦う場を変え、勉学に励む毎日だ。
「もともと大学に行きたかったけど、高校卒業後(久留米信愛女学院高)にプロになったため叶いませんでした。それでタイミングが合って、昨年受験をしました」。
その思いを15年越しに叶えた馬場のバイタリティーには、頭が下がる思いだ。大学では心理学や児童福祉などについて学んでいるのだが、これによって「ティーチングをする時に『この人はどうやって教えると、一番有効なんだろう』とか、自分のプレーについて考える時も『どういうメンタルで臨むのがいいのだろう』とか考えるようになりました」とゴルフを俯瞰できるようになるなど、本業にも様々な効果があると言う。
この勉強の先にあるのは「学んだことを、ゴルフが盛り上がるために役立てたい」という、これまで自らが生きてきた世界に還元したいという情熱。同級生には同世代も多いそうで、「仕事との両立をしているのは私一人ではないし、周りの人を見ると刺激になる」と、大きなエネルギー源になっている。
この日は、姉の馬場ゆかりとプロアマを一緒にラウンドしたが、「うまいなーと思って、アマチュアみたいな気持ちで見ていました(笑)ショットが正確だし、これがレギュラーで戦う人のプレーかという気持ちでした」と一番身近な存在からも刺激を受けた。“二刀流”の馬場が、『クラブ 』 と『培った知識 』 を駆使し大会を盛り上げる。(文・間宮輝憲)
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