<LPGA最終プロテスト 3日目◇26日◇チェリーヒルズゴルフクラブ>
複雑な経緯をたどって、宮崎出身の花形選手がプロ入りを果たす。
2016年に宮崎日大高校を卒業し、プロ入りを目指してきた脇元華。身長173センチで容姿端麗とくれば大きな注目を集めるのは必然だった。地元のみならず、女子ゴルフ界で広く知られる存在になり、期待を集めた1回目の最終プロテストは食中毒に見舞われ最終日に大たたき。2回目となった昨年は合格に2打足りず涙をのんだ。
プロテスト不合格だとしても、多くの選手がそうするようにQTを受験し、「TP単年登録」選手としてツアーに出場することは可能だが、脇元の場合は昨年、そのQTに出場できなかった。「エントリーミスでした」。自己責任とはいえ、二重のショックで落ち込みそうなものだが、海外へ活路を見いだし、欧州女子ツアーや台湾女子ツアーのQTを受験。台湾ではトップ通過を果たした。
迎えた今シーズンは、序盤から台湾の試合に出場。5月には台湾女子ツアー「サンポレディスオープン」でプロツアー初の優勝を遂げている。「初めての優勝を海外ですることができて良かったです」と、大きな自信を得ることができた。そして今年も受験しているプロテストは最終まで進出。初日から「71」、「68」とスコアを伸ばすと、3日目に「66」をマークし、一気に順位を上げ、トータル11アンダーの8位。20位タイまでに入れば念願のプロ入りを果たすことになる。
遠回りをしてきたが、心の支えになってきた言葉がある。高校時代に知人を通じて知り合った元プロ野球選手の桑田真澄氏から学んだ“謙虚”な心。「スポーツマンとして、謙虚さを持って」と、くさることなく波乱を乗り越え、プロテスト合格一歩手前までたどり着いた。「気を緩めず、明日もバーディを取りにいきたい」。最終日も謙虚な心で、プロゴルファーの称号をつかみ取る。
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