つかまる!バラつきに強い!イージーという名のドライバー
今回試打するのは、プロギアRS-Eドライバーです。RS-EのEというのは、イージーのEです。イージーは簡単という意味ですね。では、何が簡単なのか。どんなドライバーが簡単かというのは、人によって違うと思います。
今回のRSシリーズは、フェースの反発がギリギリと宣伝していますし、RS-Eにも反発の高さは生かされています。そしてなんと、重心アングル(重心角)が34度あります。460ccドライバーで重心アングルが少ないものだと20度くらいですから、34度は大きいですね!重心アングルが大きいということは、スイングをしたときにヘッドが返りやすい。インパクトでヘッドが開く人でも球がつかまる、ということです。球がつかまることが、RS-Eの一番の特徴です。
この時点で言えることは、チーピンが出る人、左のミスを減らしたい人にとっては、RS-EのEはイージーではないです。気をつけてください、フッカーにとってはこのクラブはディフィカルトです。ターゲットがはっきりしているクラブです。重心アングルを大きくするために、ネックに近いヒール側にウェイトがあります。RS-Eのイージーは「つかまる」という意味です。
まず、構えたときにびっくりしました。つかまりのいいクラブというのは、置いたときにフェースが左を向くフックフェースにしているものが多いです。しかしRS-Eは構えるとピシッとまっすぐに向きます。つかまりやすいクラブが欲しいけど、フェースが左を向いていると構えにくいという人も多いと思います。そんな人にも、RS-Eは顔がまっすぐに向いてキレイです。
もうひとつ、構えたときに気づいたことがあります。RS-Eはクラウンに傾斜がついています。Wクラウンというプロギアの技術で、RSシリーズに採用されています。「たわみを増長させることで、ミスヒット時の初速のロスを少なくして高初速が得られる」というミスヒットにやさしい技術です。RS-Eは「つかまる」、そしてミスヒットに対するやさしさ、この2点が特徴です。
シャフトは人気のフジクラSpeederオリジナルです。今回試打するスペックは、ロフト10.5°のSR、長さ45.5インチ。想定ヘッドスピード40m/s前後のアマチュアの黄金スペックです。僕もクラブに合わせて40m/sくらいで打ってみます。
シャフトはけっこうしなります。は~、音がいいですね。顔が真っ直ぐなので、構えたときにつかまるイメージがないですけど、打ってみるときれいなストレートドローが出ました。僕の印象では、見た目と出て行く球が違います。構えたときにフェースが真っ直ぐ向いているので真っ直ぐ飛ぶイメージがあるんですけど、重心アングルが大きいのでインパクトの瞬間に少しだけフェースがかぶって当たっています。なので、自分では真っ直ぐかなと思ったボールが、ドローになっています。
今度は、カット気味に打ちました。カットに打っても、左に飛び出してそのまま真っ直ぐ飛んでますね。これはつかまりがいいですね。もう1パターン、右に行きやすいのは、インサイドから来てフェースが開いたまま当たる、プッシュアウトが出る人です。プッシュアウト気味に打ってみます。お~、少し右に出ましたけど、プッシュアウトで打っても、プッシュアウト「気味」でとどまります。プッシュアウトがドローになるとは言いません。でも重心アングルの大きさで右に行くような球も、自分が思ったよりは右に出ないし、スライス回転しづらいです。つかまるイージー、ミスに強いイージーです。
ネックは流行のカチャカチャ式(可変式)ではなく、固定されています。好みもありますが、RS-Eのキャラクターを考えると、可変で調整するのではなく、このクラブがひとつの完成品です。ドライバーの悩みを解消したい人には、このクラブ1本で、つかまる、打点のバラつきに強い、ミスを助けてくれる、そんなクラブです。ロフトのバリエーションは、9.5°と10.5°の2種類、シャフトはM-37がR、M-40がSR、M-43がSの3種類あります。
大事なことは、試打をすることです。ロフトとシャフトの硬さを試してみて、自分のスイングとの相性で選んでください。ヘッドスピードが遅いからM-37(R)と決めつけないで打ってみてください。迷ったら2本買ってください。コースで打ってみて、いい方を残して合わない方はゴルフパートナーで売る。迷ったときは大人買いで2本買ってください(笑)。 RS-Eドライバーは、球をつかまえたい、打点がバラつく、スライスを減らしたい、そんな人にはぜひ試してほしい1本です。
マーク金井 (プロフィール )
1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。