2月22日(木)から開幕する米国女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」で今季初戦を迎えるイ・ボミ(韓国)。専属キャディ・清水重憲氏が出国前の16日に取材に応じ、今年のボミについて「去年とは違うかな、という思いはあります」と、調整が順調であることを明かした。
ボミは2015年、16年と2年連続賞金女王の栄冠から一転、17年は賞金ランキング23位と苦しんだ。勝利数も前年の5勝から1勝と大きく減少。清水氏いわく、思い返せば昨年開幕前の合宿時点から予兆はあったという。
「2016年の後半からボミプロには疲れが見えていました。特に、日本女子オープン(9月28日〜10月1日)のころは疲弊しきっていましたから。その疲れがオフで取れていないまま、合宿に入ってしまったのだと思います。疲れているから調子が上がらない。調子が上がらないから一段と練習する。さらに疲労が蓄積されて、トレーニングの量が減ってしまう。そんな悪循環に陥ったまま、開幕を迎えたような感じでした」
負のスパイラルはシーズンに入っても続いていく。「疲れがあるから調子が上がらず、焦りが出てくる。それでも、一向に調子が上がらない。段々とゴルフに対する情熱が減っていく。そんな悪い流れを断ち切れませんでした」。いつしか「試合に出たくないです…」と話すようになり、一番ひどかった時は毎日帰りの車で泣いていたそうだ。
そんな苦しんだ17年とは違う姿が18年は見られそうだという清水氏。広報大使を務める平昌オリンピックがオフに開催されるということもあり、ボミは今年、アメリカではなく韓国に近い沖縄・宮崎で合宿を実施した。清水氏も全ての日程ではないが参加し、ボミの練習を見守った。
「去年まではゴルフの練習の後にトレーニングをしていたそうですが、それだと調子に納得がいかない場合、トレーニング時間を削ってまで練習に充てていたといいます。今年はトレーニングへの優先順位を上げて、午前中にするようにしていました。もちろん、午前のトレーニングだからといって強度が弱くなることはなく、がっつりとやっていましたよ」。ときには自らもトレーニングに参加した。「とにかく楽しんでくれればと思って、マネージャーさん達と加わってみました。雰囲気も良かったと思います」
何よりうれしかったというのは、ボミがゴルフに対して前向きになった点。今回のホンダLPGAタイランドには主催者推薦として出場するが、推薦の話が来たのはわりと最近の話。すでに沖縄での開幕に向けて調整している段階だった。それだけにチームとしては迷いどころだった。
だが、ほかの誰でもなくボミ自身が「出ます」と決断した。ゴルフに前のめりになっている。そんなボミの姿は、去年ほとんど見られなかったものだ。
だからこそ、今季のボミに対して期待を抱いている。「開幕前というのは、選手・キャディともに期待と不安が入り混じる時期だと思います。もちろん、今年に関しても不安はあります。ですが、去年とは違うかな、という思いはありますね。去年よりも良くなっているという気持ちが強いです」と笑顔を浮かべて語った。
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