2月15日(木)、LPGAが2019年度からのLPGAプロテスト・LPGAクォリファイングトーナメント(以下QT)の制度変更を発表。QTの受験資格が「LPGA会員」のみとなった。
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これまでは非会員でもQT受験が可能であり、QT上位に入ることができれば、TPD単年登録(サードQT以上の進出者が翌1年間のみ適用)によってツアー出場が可能であるが、2019年度からは非会員は出場できなくなる(ただし19年度に関しては同年の単年登録者は出場可能。20年度より不可に)。
今回の制度変更に関してLPGA広報担当者は「これまでの制度はゴルフファンの方に分かりにくかった。単年登録と正会員での違いが一般の方々に伝わりづらかったため、このような制度にした」と話している。
今季単年登録者として戦う16年日本女子アマチャンプの高橋彩華は「いずれこうなると思っていましたが思ったよりも早いという感じです。プロテストに出るとなると何試合か休まないといけなくなるので、基本的にはシードを獲得して入会できるように頑張りますがランキング次第ですね」と語る。
今季の出場資格を持っていない篠崎愛は、より深刻に受け止めている。「私たちのような単年登録者にとっては厳しい制度ですね。プロテストを通らないと試合に出られないというのは、やっぱり強い選手しか残れないということだと思います」と話すように現在プロテストに合格していない選手にとっては由々しき問題。だが。それ以上にこの制度によって大きく変わるのが海外選手の参戦だろう。
02年にTPD非会員登録制度(現・TPD単年登録制度)ができて以降、日本ツアーに参戦したい多くの選手はQTを受験、単年登録者となって出場権を得てきた。だが、規定が変わることで日本ツアーに参戦するにはプロテストに合格するか、何らかの資格で試合に出場し、優勝して正会員となるしか方法がなくなった。
すでに日本ツアーに参戦しており、現在シードを保持しているペ・ヒギョン、ユン・チェヨン(ともに韓国)、フェービー・ヤオ(台湾)といった単年登録選手も安心していられない。18年から制度が変わり、シード権を得た単年登録者は正会員へとなれるようになったが、このまま1度でもシードを獲得できなければ職場を失う。シードを持っていないアン・シネ(韓国)らはより戦々恐々だろう。
17年に日本ツアーに初参戦し、賞金ランキング35位に入ったユン・チェヨン(韓国)は「協会が決めたことなので。優勝かシードを獲って入会できるように頑張ります」とコメント。今後プロテストを受験することに関しては「だめならそういう選択肢もあるかもしれません」と話している。
今回の制度改革に対し、日韓両ツアーに精通している関係者は「LPGAの詳しい意図は分かりませんが、私は正会員をたくさん増やそうということとともに、海外からの門が狭くなったと感じます」と話す。
「正会員になれなければQTを受けられないとなると、日本に来たい選手は基本的にプロテストを受けなければいけなくなりますし、正会員であればさまざまな規約がありますから、他のツアーとの両立が難しくなります。それを踏まえるとこれから日本ツアーに参戦しようとする若い選手は減るのではないでしょうか」
続けて、日本ツアーに海外選手が多く参戦したことでの効果を話す。
「多くの実力者が来たことで若い選手、そしてツアー全体のレベルが上がったと思います。イ・ボミさんらの活躍もあり、ツアーの人気は上がったのではないでしょうか。その中で今年は黄金世代と呼ばれる若い選手がレギュラーツアーに多く参戦してくる。そうやってツアーが活性化してきたと思います。ただ、韓国のうまい選手たちもベテランの域に入ってきました。それを考えると、私としては若い海外の選手にもっと来てほしいですし、グローバルに考えてほしいなと思います」と、海外から参戦する選手にとっても前向きな制度改革になることを願っている。
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