<ULインターナショナル・クラウン 初日◇4日◇ジャック・ニクラスGCコリア(6,508ヤード・パー72)>
女子ゴルフ世界一決定戦の「ULインターナショナル・クラウン」が韓国のインチョンで開幕。2014年からはじまった8カ国による国別対抗戦に3大会連続(偶数年開催)で出場している日本チームは、初日を1敗1分けと苦しいスタートになった。
日本勢の先陣を切った米ツアー組の畑岡奈紗と上原彩子はタイのモリヤ・ジュタヌガーンとポーナノン・パットラム組に土壇場で追いつき、引き分けに持ち込んだが、成田美寿々と比嘉真美子の国内ツアー組は、元世界一のアリヤ・ジュタヌガーンとシャーマン・サンティウィワタナポンに2&1で敗れた。
「バーディが少なくて、もどかしいプレーでした。いい場面を作れなかったし、試合を動かせなかった」と、大会を放送するWOWOWのインタビューに答えた比嘉。「2人の持ち味はバーディを獲ることなのに…」と、成田もこの日バーディ3つに終わったチーム結果には到底、納得できていない。
出だしの1番パー4から見せ場は作った。ともにフェアウェイからのセカンドをバーディチャンスにつけた。幸先良く1アップとするはずだったが、タイのサンティウィワタナポンが10メートルほどのバーディパットをあっさりと決めてしまったため、「いきなりプレッシャーがかかった」と、比嘉の勝利となるはずだった1.5メートルのバーディパットは引き分けを決めるパットに変わってしまった。
その後も一進一退ではあったが、チャンスを決めきれないシーンが目立つ。ようやく10番で成田がピン奥8メートルからのロングパットを沈めてオールスクエアとしたが、コースの名物ホール、263ヤードの14番パー4で落とし穴が待っていた。「まさかあそこに行くとは思ってもいなかった」と振り返る成田のティショットは右のハザードに消え、比嘉もティショットを左に曲げ、チャンスホールをバーディとしたタイ組にリードを許した。
「それ以外はフェアウェイにいっていたのに…。あそこだけ」と唇をかんだ成田。流れに乗れず、かみ合わせが悪いプレーがともに続いた。「ターニングポイントとなるホールでダメでした。少しの差でいい流れが作れなかった感じです」と1日のプレーを表現した比嘉の表情にも悔しさがあふれた。
「私たちは勝てるペア。気持ちをリセットして、あしたを迎えたいです」とした比嘉。「攻める気持ちを忘れずに、あしたはバーディをたくさん獲って流れを作りたい」と気合を込めた成田。国内ツアーの平均バーディ数で3位の成田と5位の比嘉の逆襲なるか。
「あしたは先に行かせてください!」と畑岡・上原ペアに直訴した成田と比嘉。「バーディをたくさん獲ってもらって、その流れにみんなでついて行きます!」と畑岡、上原も2人の攻撃ゴルフについて行く構えだ。
日本を含むタイ、米国、そして2日目に対戦するスウェーデンが入るグループBでは、現在引き分けの1ポイントのみで最下位スタートとなったが、まだまだチームジャパンの目は死んでいない。(文・高桑均)
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