2019年の活躍が期待される“新星”のスイングを、日本でもわずかの米国のレッスンプロ資格TPI(Titleist Performance Institute)レベル3取得者で、現在河本結らのコーチを務める目澤秀憲氏が解説。今回はその河本のスイングをコーチ自らが分析する。2019年のレギュラーツアーで“最注目株”ともいえる選手の魅力とは?
黄金世代の注目株 河本結のスイングを連続写真で見る
昨年プロテストに合格。さらにステップ・アップ・ツアーで12戦中4勝を挙げ、賞金ランキング1位の座についた河本。その資格で、今季のレギュラーツアー前半戦出場権もつかみとり、ますますの活躍が期待される。そんな河本の魅力について目澤氏はまず、「どのクラブを振る時でも、躊躇(ちゅうちょ)がまったくない。加速を続けながら、インパクトを迎えることができる選手です」と話した。
今回見せた写真はプロテスト前のもの。この時は「飛距離よりも方向性重視の練習に取り組んでいた」ということもあり、現在とは変わっている部分もあると目澤氏は説明したが、どのような時でも変わらない河本の長所として、“フォロースルー時の腕の角度”を挙げた。
「フォロースルーの胸と左右のヒジの角度の関係を見てもらえば分かると思いますが、きれいな三角形のような面ができています。クラブに振られてしまうと、この腕の角度は出せません。しっかりと体の中心を軸にするイメージで、クラブに振られないことを意識しています」
体重がしっかりと右サイドに残ったまま打ち出される河本のスイング。このポイントは「腕力が強いアマチュア」、「ヘッドを走らせることを考えすぎてフックに悩んでしまっている人」にぜひ参考にしてもらいたいポイントだと目澤氏は話す。
さらに注目してもらいたいと力を込めたのが、トップからの切り返し時に腰付近にできている“ウェアのしわ”。
「これだけウェアにしわが寄るというのは、上半身は回転しながらも、下半身にしっかりとタメができているという証になります。これだけ躊躇(ちゅうちょ)なく回転ができると、スイング中の不要な減速がなくなり、引っかけづらいスイングになります。体主導でクラブが後からついてくるので、体力に自信がある方は、この“しわ”を意識するとレベルアップにつながります」
河本のデータを測ると、骨盤が動くスピード、体の回転スピードで男子プロばりの数値が出たことを目澤氏は明かした。そしてそのスピードが、持ち前のパワフルなスイングを生み出している。
現在の河本は、この写真よりもアドレス時のスタンス幅を狭くして、よりシャープなスイング習得を目指しているという。この写真のようにスタンスを広くとると、どうしてもスイングアークが大きくなり、フェースも開いてしまうと目澤氏は説明。体への負担も大きく、このまま1年間フルで戦うと、どこかでバテが生じてしまうと説明した。持ち前のダイナミックさを生かしながら、より洗練されたスイングで2019年シーズンに臨んでいく。
解説・目澤秀憲(めざわ・ひでのり)/1991年2月17日生まれ、東京都出身。日大ゴルフ部出身で、卒業後に米国へゴルフ留学。そこで米国のレッスンプロ資格TPI(Titleist Performance Institute)Golf junior レベル3を取得した。現在は「エースゴルフクラブ」でレッスン活動をするかたわら、河本結らを指導するプロコーチとしても活躍する。
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