最新ゴルフニュース

目標「10位以内」の理由が切実　吉田鈴、2日連続『68』の“原動力”は…【日本女子アマ】

＜日本女子アマチュアゴルフ選手権　3日目◇17日◇大山ゴルフクラブ（鳥取県）◇6638ヤード・パー72＞
「ここで10位以内に入りたい」。2日連続の「68」をマークし、トータル5アンダー・7位タイまで順位を上げた吉田鈴（りん、千葉黎明高3年）には、鳥取でどうしても手にしたい“チケット”があった。その獲得を目指し、最終日も「攻め」のゴルフを続ける。
そのチケットとは、今年9月30日〜10月3日に行われる「日本女子オープン」（栃木・烏山城CC）の地区予選出場権だ。実は吉田は2カ月ほど前にこれに申し込んだのだが、すでに定員オーバーのためエントリーができなかったという。大会を主催する日本ゴルフ協会（JGA）によると「いつもすぐに埋まってしまう」そうで、現時点では今年のプロ・アマ問わずの“日本一決定戦”への挑戦権にすら手が届かない状態だ。
しかしこの大会で2〜10位以内に入ると、地区予選への参加が認められるため、それを狙っているというわけだ（優勝は本戦出場）。そんな“復活”がかかった4日間だが、第1ラウンドは3オーバー・84位タイと出遅れた。「初日が痛かった」と今振り返るが、その原因は「遅くて、重い」というグリーンにあった。
プロの大会では、グリーンの速さを示すスティンプメーターはおおよそ11〜13フィートほどに設定されるが、きょうのコンディションで8.8フィート。これには、いまだに戸惑いもあり、「なかなか強く打てない。ショットがよかったので、チャンスを決めることができれば『63』くらいになってました…」と、3日目も取りこぼしたという感覚は否めない。それでも6〜8番では、3〜5メートルをしっかりと打ち3連続バーディもゲット。徐々にフィットしてきている。
トップに立つ手塚彩馨（あやか、長野・佐久長聖高1年）との差は5打。逆転も十分可能な位置につけたが、まずはトップ10入りを標的にし、そこからさらに上位を狙う。そのためのラインとして設定したのは3日連続となる「68」だ。「スイングが止まってしまうので、振り抜く勇気を持ちたい。あとは返しのパットを嫌がらないように」。この3日間で得た課題を、そのままコースで生かしていく。
2018年大会覇者で、現在プロで活躍する姉の吉田優利には前日のラウンド後に状況を報告し、激励を受けた。ツアー7勝の今野康晴からは指導を受け、プロトーナメント出場時にはキャディとしてついてもらうことも多い。「心の面や、マネジメントの面などで成長できている。トーナメントプロなので実際のプレーを見て真似ることもできるし、勉強になります」。周囲の支えを、しっかりと自信に変えていく。
とにかくノルマは、アマチュア日本一決定戦を、ゴルファー日本一決定戦の足掛かりにすること。この後も「日本ジュニア」の成績などで参戦権を得るチャンスはあるが、まずはここ鳥取で最後の1ホールまで、しっかりと攻め切りたい。（文・間宮輝憲）

<ゴルフ情報ALBA.Net>