<TOTOジャパンクラシック 最終日◇7日◇瀬田ゴルフコース北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
直近4試合で3勝目。古江彩佳が、滋賀県でも強さを見せつけた。同じ最終組で回った稲見萌寧に最終的には3打差をつけて、トータル16アンダーで今季6勝目を手にした。
「ボギーを1つ打つと隙が見えてしまう。ボギーなしであがれたのは大きい」。2位と2打差の単独トップでスタートした古江は、まさにライバルたちにつけ入る隙を与えない圧巻のゴルフで、勝ち名乗りを受けた。2番で3メートルのチャンスを沈めると、そこからさらに2バーディ。最終日もフェアウェイキープ率100%、パーオン率88.8%と安定のショットを武器に、ピンチというピンチもないまま逃げ切った。
「何が起こるか分からないコース。最後まで安心はできなかった」というラウンドで、気持ちを楽にしてくれたのが16番パー5で奪ったバーディだった。残り85ヤードを54度のウェッジで4メートルにつけ、このシビアな距離を決めきる。そのホールは稲見もバーディだったため、これを外していれば2打差でラスト2ホールを迎えることに。「そこから(稲見の)3連続も考えられたので、しっかり獲れてよかった」。逆転を狙う稲見の心を折ってもおかしくない、クラッチパットだった。
「ジュニアの時に見に来たコースで優勝できたのはうれしい」と喜ぶ。兵庫県・滝川第二高3年在学時の2018年に、同じ会場で行われたこの大会へ西村優菜とともに足を運び観戦。そこで海外の強豪たちの迫力に圧倒された。その年にはJGAナショナルチームの先輩でもある畑岡奈紗が優勝。新型コロナウイルスの影響で昨年、今年は日本単独開催となっているが、そこからわずか3年で「見に来ていた試合に出られるようになったのはうれしい」という大会を制した。
賞金総額2億2000万円、優勝3300万円のビッグトーナメント制覇は、今後の賞金女王レースにも大きく影響を与えることになる。この1勝で今季通算は2億3059万7575円に。トップに立っている稲見が単独2位の賞金2007万9400円を手にし、通算を2億3456万6049円としたため逆転こそならなかったが、大会前まで約1688万円差あった差を一気に396万8474円まで縮めた。
今年の初優勝大会となった「富士通レディース」前まで、約6746万円あった稲見との差もその1勝を皮切りに肉薄。はっきりと女王が視界に入るところまで自らを押し上げた。ただ本人は「あまり考えずにやっていきたい。残り3試合を一つずつ頑張っていきたい」とあまり意識はせずに、これまで通りの気持ちで戦いに挑んでいくつもりだ。
今後の「伊藤園レディス」、「大王製紙エリエールレディス」はディフェンディングチャンピオンとして臨む大会。そして最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」も昨年2位になっており、「イメージはいい」大会が続く。「ここまで差を詰められたのはうれしい。これで満足しないように自分のベストを尽くしていきたい」と、そこでも賞金を積み重ねたい。
12月2日から参加する予選会(Qシリーズ)を経て、来季からの出場を狙う米国ツアー参戦に向けても、賞金女王戴冠で得られる3年シードは大きな意味を持つ。アマチュア時代の優勝も含め、ここまでの通算7勝はすべて9月以降に挙げた“秋女”が、自分の季節をさらに謳歌することになるか。
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