4月7日から男子ゴルフの今季メジャー初戦「マスターズ」(米ジョージア州・オーガスタ・ナショナルGC)が始まる。その開幕を2週後に控えるなか、22日には前年王者として松山英樹がテレカンファレンス(電話会見)に出席した。
現在は、3週前に出場した「アーノルド・パーマー招待」で訴えた首痛の解消を目指している最中。21日から練習を再開したことも明かし、「今週と来週でどれくらいまでゴルフの状態が上がるか分からないですけど、いいプレーができるように準備したいと思う」と、連覇がかかる本番までの時間を過ごしていく。
マスターズ王者として過ごしてきた1年間については、「勝ってからすごく色んな人に祝福されたり、トーナメントに出ると『マスターズチャンピオン』と紹介され、すごくうれしい。今までと違う反応で見てもらえる」と振り返る。
さらに『人生が変わったか?』という質問には、「日本人がたくさん挑戦してきたなかで、僕が一番最初に勝てたことはすごくうれしい。人生がどう変わったかは、僕自身よく分かっていないですけど、トーナメントに出ている時、いろんな人の反応が前と違う。やっぱりそれだけのことをしたというのは感じる」と答えた。
あの日のコースでのことも思い返す。最終日。5打のリードを持ってサンデーバックナインに入ったが、15番パー5で池ポチャからボギーを叩いたことなどが響き、後続に迫られた。“楽勝ムード”から一転、緊迫の終盤戦になったことは、マスターズ制覇の難しさを感じさせた。
松山自身、この最終日について「コントロールは『僕もできていたのかな?』というのがある。結果的に優勝することができたのでよかったという感じ」と話し、極度のプレッシャーがあったことをうかがわせる。そのなかで「15番ホールで池に入れた後のアプローチ。パターで打てるところまでいけたのがよかった」と、自らを優勝に導いた殊勲の一打を挙げた。
快挙達成後には、涙も流した。これについては「一緒に居てくれているチームのみんなが泣いている姿とか(を見て)、すごくホッとした気分になった。勝ったからそういう感情が出たのではなくて、ホッとした部分がすごく大きかった」と当時の心境を説明する。
またホールアウト後、思わぬシーンが世界中で話題になった。それが早藤将太キャディが、コースに向かって一礼したあのシーンだ。松山はこれについても、「直接は見てなかったけど、終わった後にテレビで見て、すごくいいことをしたんじゃないかなと思った。彼自身、いろんな人の称賛も得られたので」と話した。
今年のマスターズは、これまでとはまた違う感情も湧きあがる大会になるはず。パトロン、メディア、世界中のゴルフファンから“ディフェンディングチャンピオン”としての視線が送られる。「楽しみというか、またいいプレーをしたいという気持ちが強い」。故障の影響もあり「8割くらいのスイングしかできていない」と不安も残すが、緑深いオーガスタで再びその雄姿を見せてもらいたい。
<ゴルフ情報ALBA.Net>