今回は、テーラーメイドPSiアイアン&M2アイアン
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸と凄腕クラフトマン、 山崎康寛が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
ソールに「スピードポケット」(溝)のある『RBZ(ロケットボールズ)』が、2012年に大ヒットしたのを受け、アイアンにも溝のついた構造を採用するようになったテーラーメイド。中上級者向けの『PSi』アイアンはコントロール性を重視、ウッドシリーズが大ヒット中の『M2』アイアンは飛距離性能の高いモデルだ。どちらも溝効果で、打点のミスへの許容性が非常に高くなっている。
ウッドでも定評のある「スピードポケット」(溝)を採用し、ミスへの寛容性を高めた
テーラーメイドの最新アイアン。プロや上級者向けの『PSi』アイアンと大きな飛びが魅力の『M2』アイアンだ。
ソールに「スピードポケット」、フェースに「フェーススロット」と呼ばれる溝を採用しているのが特徴。ミスヒット時に溝がたわみ、エネルギーロスを抑える構造だ。実際に打つと、溝のたわみが手に伝わる感触があります(藤川)
ウッドの印象が強いテーラーメイドですが、アイアンの人気はあなどれません。新品はもちろん、中古になってからも歴代のモデルが多く売れています。中でも、『RSi1』や、初代“溝”アイアンの『ロケットブレイズ』の人気が高いようです(藤川)
カリスマ店長・藤川の視点
構えてみるとややコンパクトなヘッドで、操作しやすい印象です。複合素材を組み合わせた構造のためか、中空アイアンのような感触があります。フェースの溝の効果で、見た目よりもずっと打点のミスへの強さを感じます。
クラフトマン・山崎の視点
ボールがグッと食いつき、フェースに乗る感じがあります。接触時間が長いので、ボールをコントロールするイメージが出やすく、非常に扱いやすいアイアンです。競技系ゴルファーがやさしく使えて、よりテクニックが生かせます。
・操作性とやさしさを両立したいゴルファー・ボールが食いつく打感を好む中上級者
・見た目のカッコ良さも求めるギアマニア
カリスマ店長・藤川の視点
圧倒的にスイートエリアが広く、面長のアイアンながら、しっかりとボールをとらえるつかまりの良さもあります。弾道も高く、ゴルフが簡単になりそうです。薄肉フェースで弾き感が強く、飛距離もかなり期待できます。
クラフトマン・山崎の視点
『PSi』とは異なり、「フェーススロット」はないですが、バックフェースの外周すべてがアンダーカットされていて、フェースのどこに当たってもボールが前に飛んでくれる安心感があります。完成度が高い、やさしいアイアンです。
・高弾道で大きく飛ばしたいゴルファー・スッキリしたアイアン形状が好きな人
・ミスへの寛容性の高さを求める人
『M2』は42.2mm、コンパクトヘッドの『PSi』も39.1mmと、両モデルとも重心距離が長めで、ウッド類との相性が良い。この場合、ヘッドが返りにくくなる側面がありますが、『M2』はFP値が小さいグースネックによって、つかまりを補っています。低く深い重心位置はボールが上がりやすく、飛距離アップが見込めます(藤川)
選び方のココがポイント
スイートエリアが見た目よりもずっと広く、打点がズレても大きなミスになりにくいのが両アイアンの特徴。『PSi』はコンパクトなヘッドでシャープな見た目。『M2』は大きめのヘッドで、ボールのつかまりをイメージしやすいグースネックが特徴です。構えたときのサイズ感とグース度合いで、好みが分かれるでしょう(藤川)
藤川店長のヘッドスピードはドライバー換算で42m/s。試打結果は5球打った平均値。計測には弾道解析器「GC2」を使用。山崎クラフトマンは、ヘッドスピード45m/sと50m/sで試打したインプレッション
『PSi』はテーラーメイドらしいミスへの強さを持ちながら、コンパクトなヘッドで抜けも良く、ボールの打ち分けも行いやすい操作性の高さがあります。打感の良さも中上級者好みで、完成度の高いアイアンです。『M2』はボールがつかまりやすく上がりやすい。打点のミスへの強さは市場でも有数。ロフト角以上に飛距離性能も高いモデルです。上達志向なら『PSi』。やさしくスコアメイクするなら『M2』を選択しましょう(藤川)