今回は、ヤマハRMX116&RMX216
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
「ヘッドとシャフトを最適に組み合わせる」という藤田寛之が提案するコンセプトをもとに生まれたヤマハの最新ドライバー。ヘッド全体のたわみを使って飛ばすことができる「スーパーデュアル弾力ボディ」を新たに採用。前作から6.4ヤードの飛距離アップを実現しているという。『RMX116』は操作性に優れたディープフェースヘッド。『RMX216』はシャローバックで投影面積が大きく、見た目通りの方向安定性が特徴だ。
ヘッドとシャフトが単体で購入でき、組み合わせが自在にできるのがヤマハ『RMX』の魅力。
しかし、見逃せないのは、2タイプのヘッドそれぞれの性能の高さだ。
締まったシェイプの『116』に対して、投影面積が大きく安心感のある『216』。『116』はスクエアに構えやすく、球筋をイメージしやすい。『216』はボールが上がりやすくミスになりにくい印象を受けます。性能の違いがそのまま形状に表れていて、どちらもバランスの取れた美しいヘッドです。
445㎤のやや小ぶりなヘッドで、非常に厚みのあるディープフェースを採用した『116』。ツアープロも使用しているように、ハードヒッターが叩いても吹き上がりにくいのが特徴。『216』はシャローでボールが上がりやすいですが、低めの重心で高打ち出し、低スピン弾道になりやすいヘッドです。
重心距離が短く、操作性の良さはそのまま。ボディの薄肉化などの効果で、さらに打感が良くなり、飛距離は前作比6.4ヤードアップ(同社比)。『116』は過去のプロモデルと比べると格段に扱いやすくなっています。
多くのシャフトとの組み合わせが可能なのも『RMX』の特徴。ハードヒッターには『116』と『クロカゲXM60』。アベレージゴルファーには『216』と『フブキAi50』が好相性。レベルが上がれば、シャフトを替えるのもありですね。
なんといっても強いボールが出ます。飛距離も出ていますね。本来、重心距離の短いドライバーはつかまりがいいのですが、左へのミスが出にくいのが特徴です。“引っかけたかな?”という当たりでもボールを巻き込むことなく飛んでいきます。操作感が高く、打っていて楽しさを感じますが、ヘッドスピードが速くない人には難しいモデルでしょう。
・打感&打球音の良さにこだわる上級者 ・ドライバーに操作性を求める人 ・ヘッドスピードが速く、叩けるゴルファー
完成度が高く、特にスライサーと相性が良いでしょう。つかまりがよく、ボールが上がりやすいので、高弾道で飛ばせます。極端に低スピンではなく、適度なスピン量で平均点以上の弾道が安定して出てくれるのがうれしいですね。低スピン系のドライバーは引っかける怖さがありますから。打感と打球音も心地良く仕上がっています。
・ミスになりにくいドライバーが欲しい人 ・弾道が低めのゴルファー ・飛距離をロスしがちなスライサー
『RMX』の特徴は、40ミリを超えるものが主流の中、30ミリ台前半という短めの重心距離。操作性が高く、フェースターンがしやすいこともあり、大型ヘッドが苦手なゴルファーでも使いやすい。どちらも低重心で低スピン弾道になりやすいですが、重心が深い『216』はよりやさしく、ミスに強い仕上がりになっています。
選び方のココがポイント
どちらのヘッドも完成度が高く、操作性に優れています。打感や打球音の心地良さも共通点です。大きなポイントは、重心の深さ。浅めの重心で強弾道を生む『116』に対して、『216』は深重心による高弾道とミスヒットへの強さが特徴です。ヘッドスピードが速く、普段からスピン量が多いという人なら低スピンになりやすい『116』。ヘッドスピードは速くなくても、高弾道で安定した飛距離を出したい人には『216』がおすすめです。
藤川店長のヘッドスピードはドライバーで42m/s。試打結果は5球打った平均値。
計測には弾道解析器「GC2」を使用
プロも使う『116』はパワーのある中上級者向け。しかし、多めのロフト角を選択すれば、幅広いゴルファーが使えるでしょう。つかまりの良い『216』はスライサーが吹き上がらずに高い弾道で飛ばせるドライバーです。シャフト選びも重要で、ボールを上げたいなら『フブキAi50』のようなしなりを感じやすいシャフト。低く抑えたいなら『ツアーAD GP』のような、先端剛性の高いシャフトを選ぶとハマるはずです。