今回は、ダンロップゼクシオ9MP900モデル&ゼクシオ9Miyazakiモデル
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸と凄腕クラフトマン、 山崎康寛が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
ブランド誕生から16年。シニア層を中心にゴルファーから圧倒的な支持を得ている『ゼクシオ』。現在は国内のみならず、アジア圏でも人気が高い。9代目となる『ゼクシオ9』は、純正シャフトの『MP900』に加え、ヘッドスピードが速いゴルファー向けにやや重くなった『Miyazaki』シャフトをラインナップ。さらに幅広いゴルファーが扱えるドライバーになった。
9代目『ゼクシオ』の最大の特徴は、ヘッド軌道が変わりヘッドスピードが速くなるというシャフト特性。
『MP900』、『Miyazaki』とも、手元寄りのしなりがあり、タメが生まれやすくなっている。
『ゼクシオ9』は、これまでのカップフェースに比べて、折り曲げ幅が大きくなった「ウイングカップフェース」が新たに採用されました。フェース周辺部分の肉厚を薄くできるので、トゥとヒール寄りの反発性能が大きく向上。打点のブレによる飛距離差が小さくなり、安定して飛ばすことができます(藤川)
これまで、先端寄りのしなりが特徴だった『ゼクシオ』のシャフトですが、今回は手元寄りのしなりが大きく、タメを作りやすくなりました。重心を手元寄りに移動し、振り感が良くなったのも特徴です(藤川)
ヘッドスペックにほとんど差はないですが、『ゼクシオ』らしい青ベースの『MP900』と、シリアスな感じを受ける黒ベースの『Miyazaki』で、構えた時に受ける印象は違いますね(藤川)
カリスマ店長・藤川の視点
ユーザーの多くが、打球音の良さを評価しますが、今回のモデルでもその特徴は健在。爽快な金属音で、芯を外しても飛んでいる感じがします。危なげのない安定した弾道が得られて、スコアがまとめやすそうです。
クラフトマン・山崎の視点
曲がりは少ないものの、『ゼクシオ』らしいつかまりの良さがあり、フック系の球筋の人がハードヒットすると左へのミスが気になります。リアルロフトが多めながらスピン量が少なく、高弾道で吹き上がらずに飛ばせます。
・ティショットを安定させたいゴルファー ・最近、飛距離が落ちてきたシニア層
・ボールのつかまりがほしいスライサー
カリスマ店長・藤川の視点
シャフトの挙動はレギュラーモデルの『MP900』に似ていますが、先端部分がより硬い分、さらに低スピンになりやすくなっています。振りやすさもあるので、この重さで振りきれる人は飛距離アップが期待できます。
クラフトマン・山崎の視点
決してハードなシャフトではないですが、トゥダウンの量が少なく、スペックよりもしっかりした印象があります。とはいえ、ヘッドスピードが45m/sを超えるようなハードヒッターには物足りないかもしれません。
・MP900では物足りない体力のあるゴルファー ・吹き上がりを抑えて低スピンで飛ばしたい人
・競技志向のシニアアスリート
ヘッド重量の増加などのため、前作、前々作に比べて、バランス値が増えています。2モデルを比較しての大きな違いは約20gの違いがある総重量。『Miyazaki』モデルはシャフトとグリップが約10gずつ重い。シャフト振動数は近いですが、実際に振った感触は『Miyazaki』のほうがより硬く感じます(山崎)
選び方のココがポイント
ヘッドスピード別にラインナップされた2種類のシャフトですが、意外にもシャフトの硬さの目安になる振動数の数値はほぼ同じ。しかし、『Miyazaki』は、振動数では表れにくい先端から中間にかけての硬さがあり、振った感触はかなり硬いので、シャフトに負けずに振りきれるゴルファーが対象になるでしょう(藤川)
藤川店長のヘッドスピードはドライバーで42m/s。試打結果は5球打った平均値。計測には弾道解析器「GC2」を使用。山崎クラフトマンは、ヘッドスピード45m/sと50m/sで試打したインプレッション
打ち出し角が高く、吹き上がりの少ない弾道で飛ばせて、打点のブレに強いヘッド性能は、さすが『ゼクシオ』と唸らせるでき栄え。高いヘッドの性能を活かすためにも、シャフト選びがカギになります。ヘッドスピードがそれほど速くないスライサーは『MP900』。左へのミスが怖い、ある程度振りきれるゴルファーは『Miyazaki』がマッチします。ハードヒッターなら、60g台以上のカスタムシャフトの選択も有効です(藤川)