今回は、タイトリストVG3アイアン&VG3アイアン タイプD
「ゴルフパートナー」で働く、クラブオタクの藤川清幸と凄腕クラフトマン、 山崎康寛が、ゴルファーのクラブ選びをサポートするべく、徹底試打レポート。 どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
タイトリストの日本限定モデルとして登場した『VG3』シリーズ。シリアスユーズに応えつつ、海外モデルにはないやさしさを備え、認知度は高まっている。4代目となる今回のモデルは、プロも使用できる小ぶりなヘッドの『VG3アイアン』と、高強度マレージングフェースを採用して、飛距離性能の高い『VG3アイアン タイプD』の2機種がラインナップ。タイトリストらしい硬派なデザインは、上級者も満足できるモデルだ。
タイトリストの日本限定モデルとして登場した『VG3』の4代目。上級者も納得の形状に、やさしさと飛び性能を備えた完成度の高いアイアンに仕上がった。
2010年に日本限定モデルとして登場した『VG3』ですが、初代と2年後に発売された2代目は重心距離がかなり長く、バンス角も強めの海外ブランドらしい特性。やさしい仕上がりで、左のミスに強かった(藤川)
3代目からは、飛びを重視したモデルもラインナップに追加。その分、ノーマルタイプはヘッドが小ぶりになり、高弾道で飛距離の出る弾道特性に加えて、操作性が大きく向上。プロや上級者の使用者も増えました(藤川)
上級者が好むコンパクトなヘッドで、操作しやすそうな『VG3』に対して、『タイプD』はひと回り大きなヘッドに強めのグースネック。ボールを曲げるというよりも、ラインに真っすぐ打つイメージが出しやすい(藤川)
カリスマ店長・藤川の視点
見た目は上級者向けの軟鉄ヘッドという雰囲気ですが、打ってみると打点のミスに強いことが分かります。上級者モデルよりも高弾道で、飛距離も1番手は伸びるでしょう。それに加えて、操作性が高いのも魅力です。
クラフトマン・山崎の視点
一般的な飛び系アイアンと違い、スピンがしっかりと入るので、ボールが上がりやすく、ダイレクトでピンを狙えそうです。ボールを曲げたり、高低を打ち分けるといった操作も行いやすくなっています。
・飛ぶ軟鉄鍛造アイアンが欲しい人 ・やさしさも操作性も求めるゴルファー
・大型ヘッドが苦手なベテラン
カリスマ店長・藤川の視点
ボールを曲げるといった操作は難しいですが、逆に言えば、曲がりの少ないストレートな高弾道で飛ばせるアイアンです。溶接フェースにありがちな弾きすぎる感じがなく、いい打感で飛距離が伸ばせます。
クラフトマン・山崎の視点
初速が速く、飛距離性能の高いアイアンです。低スピンでボールの曲がりが少なくなるのも特徴で、力のない人は長い番手でボールが上がりきらないケースがあるかもしれません。少し軽めのシャフトがお勧めです。
・長い番手でとにかく飛ばしたいゴルファー ・飛びだけでなく、形状にもこだわるシニア層
・とにかくボールをストレートに打ちたい人
振り感や弾道特性は異なりますが、意外にも計測数値は近い。共通点である長めの重心距離は左へのミスを抑制し、ウッドとのマッチングも良好です。シャフトがしっかりめなので、力のないゴルファーは重く感じるかもしれません。大きく異なるのはFP値で、グース度の強い『タイプD』はボールがやや低めに飛び出しやすいですね(山崎)
選び方のココがポイント
構えたときの印象は大きく異なる2モデルですが、高弾道と飛距離性能の高さは共通しています。ボールを操作しやすい小ぶりな『VG3』に比べて、『タイプD』はボールが曲がりにくく、真っすぐ飛ばしやすい。打感や打球音も含めたフィーリングにこだわるなら『VG3』。とにかく飛ばしたいなら『タイプD』がマッチしそうです(藤川)
藤川店長のヘッドスピードはドライバー換算で42m/s。試打結果は5球打った平均値。計測には弾道解析器「GC2」を使用。山崎クラフトマンは、ヘッドスピード45m/sと50m/sで試打したインプレッション
『タイプD』はとにかく飛距離性能が高い。使っているアイアンによっては2番手以上の飛びも可能だろう。大きめヘッドで、バンス角は小さめという特性から、やさしく飛ばしたい、払い打ち傾向のゴルファーに向いています。ただ、重心距離が長いため、スライサーはボールがつかまりきらない恐れもあります。『VG3』は操作性と飛びの機能を両立した高機能アイアン。中上級者から上達志向のアベレージ層まで幅広く扱えるでしょう(藤川)