今回は、“オーワークス”のかき爪はどうなの?最新フェースの溝でコロがりが変わるか!?
ALBAプレゼンツ、話題のクラブを多角的に検証「ギア総研」は、毎回違う角度でクラブを徹底試打ちレポート。どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
最近話題の「オデッセイ オーワークス」の球は本当にコロがりがいいのか?そんな疑問を解析するために超高速カメラでインパクトを撮影。
最新フェースの溝は、どんなインパクトを生み出すのかを徹底分析しました。
超高速カメラでとらえたインパクトの瞬間
まずはパットではインパクトでどんな弾道を生み出すのか? 新モデルと旧モデルでその違いを検証してみた。
超高速カメラでとらえた映像で注目してほしいのがインパクトの瞬間だ。「パターにも3~5度のロフトがあるので、一度球が飛んで着地してからオーバースピンがかかる。ダウンブロー軌道などで打つと飛ばずに一度地面に当ってから飛ぶケースもあるが……」(青山)。
新モデルと旧モデルのインパクト映像を比べると球が飛ぶ距離はそれほど変わらなかった。着地してから球の回転に違いが現れた。新モデルのほうが速めに球がタテに回転し始めている。この違いは何か?
「着地してすぐに回転するということは、球の順回転が強くなる。直進性が高くなり、球がヨレたりしなくなる。ラインに乗りやすくもなる」(青山)。つまり、プロのようなラインに乗って地面を這っているようなコロがりのいい球が打てるようになるということだ。では、次のページでは最新モデルの溝での球のコロがり度をチェックしてみたい。
最新フェースだと旧モデルと同じように球がインパクトから一度飛ぶ。その後着地してすぐにオーバースピンがかかる。着地後からのボールのロゴの傾きを見ると、下の写真よりコロがりが多いことがわかる。
2015年発売の旧モデルと比較。こちらもインパクト後に球は飛んで同じ距離をスキップしているが、着地後にすぐにオーバースピンにならない。ボールのロゴの傾きが着地後は上と比べて少ないことがわかる。
最新パターのコロがり度をチェック
2017年モデルのパットのコロがり度をチェックしてみたが、果たして話題のモデルのコロがり度はどうだったのか?
こちらは『オーワークス』ほどではないが、球がよくコロがってくれる。「マレット型のようなスイートスポットの広さがあります。打音が高いのが特徴ですね。打音が高いと打感は硬いと思いがちですが、こちらもインサート素材の工夫で非常にソフトな打感で打てますね」(青山)
45度下を向いた溝を配したアルミ二ウムフェースにTPUインサートを配置。
インパクトでTPUがつぶれ溝がカバーをしっかりつかみ順回転を与える。
打音が高めなのが特徴的。それでもソフトな打感で強く打ちすぎない。「こちらもはっきりとパッティングでの球の直進性の高さを実感できます。高めの打音で強く打ちすぎてしまう感じがするが、球がフェースに喰いつくフィーリーングがあります」(青山)
真ん中の溝を深くして周辺の溝を浅くしたスイートエリアが広いTR溝にエラストマーを複合。
打感を軟らかくしつつフェースの反発力が向上している。
タテ回転が強いと球がよれたりせず、グリーンのコンディションに影響されず狙ったラインから外れにくくなる
ボールがインパクトで飛んで地を這うようによくコロがり、ラインに乗りやすいという。順回転が強いほうが、ショートでもロングでも距離感が良くなる。「タテのコロがりが一番強くて直進性が高くグリーンの芝目に影響されにくい。ヘッドバランスが重くストロークしやすいですね。打音は静かですが、打感は軟らかいです」(青山)
マイクロヒンジといわれるかき爪状の溝が、一度凹んでその後球を押し出す。球に順回転を与えて、ストロークを向上させる。
測定方法
今回インパクト撮影で使用したのは、ノビテック社の高性能・高感度ハイスピードカメラ「PhantomV2512」。100万画素時に世界最高速25,600コマ/秒で撮影できる優れもの。低照度環境で難しかったインドアでも鮮明な映像が撮影できる。専門ソフトを使用すれば、画像加工や速度・加速度の算出も可能だ。
http://www.nobby-tech.co.jp
パター選びのチョイコツ
パターには打音高めで打感が硬めのモデルと打音低めで打感がソフトなモデルがある。前者は強く弾くイメージとなり弱めのタッチの人に合い、後者は強めのタッチの人に合うといわれる。ただ、最新モデルは打音高めでソフトな打感のモデルも出てきており、強めのタッチの人に合うタイプも多く見られた。打音や打感など自分のストロークとの相性を必ず試打して決めるのがオススメ。