今回は、ミズノプロ918が登場!軟鉄鍛造アイアンってそんなにやさしいのか?
ALBAプレゼンツ、話題のクラブを多角的に検証「ギア総研」は、毎回違う角度でクラブを徹底試打ちレポート。どれが自分に合っているのか、悩めるクラブの見極め方を解説。
新たにミズノから軟鉄鍛造アイアン「ミズノプロ」の発売が発表され話題となっている。最新の軟鉄鍛造モデルは、打感が良くてさらにやさしさや飛びを備えたものが出始めているというが、「ミズノプロ918」はどうなのだろうか? その性能を試打検証してみた。
測定・試打 吉田洋一郎さん(日本ゴルフスイング研究所)
デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、レッスンメソッドを学ぶ。欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のあらゆるスイング理論に精通。ゴルフギアの試打にも入念なギアオタク
ミズノが人気のMPシリーズに代わり、新たに「ミズノプロ」シリーズを開発。
軟鉄鍛造モデルでタイプの異なる3モデルをラインナップしている。
最新の軟鉄鍛造、「ミズノプロ918」はやさしいのか?
最新の軟鉄鍛造アイアンが果たしてどこまで進化しているのかを「ミズノプロ」を使って分析してみた。
新たに発売されるという「ミズノプロ」を例にとって最新の軟鉄鍛造モデルを説明しよう。軟鉄鍛造と一言にいっても、ボディは軟鉄でもフェースが反発力の高い別の素材を採用するぶっ飛びモデルも多い。最近は「ミズノプロ918」のように完全に軟鉄鍛造モデルが出現しはじめた。
「フェース素材が異なると打感はやっぱり弾く感じになります。この『918』モデルのように完全な軟鉄鍛造モデルは、手に吸い付く『MP』シリーズのようなソフトな打感を備えています。さらにコストをかけて深く低い重心位置に設計しており、低スピン・高弾道で飛ばせるやさしさを可能にしています」(吉田)
ツアープロに受け入れられる打感の軟らかさとアベレージモデルのようなやさしさを備える「918」モデルのようなアイアンは、高コストだが抜群の性能を発揮できるのだ。
丸棒から曲げて一体成型する軟鉄鍛造モデルは、極上の打感を得られるというが、ミズノのグレインフローフォージド製法は、軟鉄の丸棒を叩く前に絞り、鍛琉線を途切れさせないため、より打感が軟らかくなるという
金属組織が一方向に途切れずに連続して流れるため、インパクトの打感がダイレクトに手元に伝わってくる
軟鉄鍛造と呼ばれる人気アイアンをスチールシャフトで打ち比べてみた。果たしてその弾道結果はどうなったのか?
「一番スピン量が少なく感じるタイプです。強い弾道で飛ばせるので、風に負けない球が打てますね。ある程度ヘッドが大きいため、ミスヒットにも強いです。ツアー系モデルでもつかまりがあるため、幅広い人が使えると思います。シャフトのセレクトも大事ですね。『NSPRO950』などが◎」(吉田)
「ツアープロもうなづける非常にシャープで構えやすい顔。つかまりが控えめで、引っかけが怖くなく振れますね。打感も思った以上に軟らかくて球もロフトがある分、適正スピンで上がります。高さよりもスピンでグリーンを狙えるタイプ。球の強さもあるので、飛距離もある程度出ますね」(吉田)
「顔はけっこう小ぶりですね。これはよりアスリートモデルに近いアイアンです。ただ、フェースに長く乗ってライン出しが可能。中・上級者はこちらを好みそうですね。自分で球をつかまえられる人が、上下左右に打ち分けられる性能を持っています。ツアープロでも使えるハイレベルモデルです」(吉田)
「驚きました。やや低スピンで球が飛んでいき強い弾道に。フェースが球を軟らかく包み込みながら、インパクトで弾くので飛距離がでる。ロフトがあるため、高弾道で、さらにつかまりも抜群。ある程度ミスヒットにも強いので、スライサーやダフる人に合いますね。一番飛距離が出るはずです」(吉田)
プロの吉田も驚いたのが、完全な軟鉄鍛造モデルで飛距離が出た「ミズノプロ918」。「スリクソンZ565」も強い弾道で飛距離が出ていたが、より幅広いアマチュアゴルファーが飛距離を出せるのが、「918」だという。
「深く・低い重心設計はもちろんのことある程度ロフトもあり球が上がります。さらにつかまりがいいのが大事。つかまっていないアマが意外と多く、飛距離ロスをしています。ならば、より球がつかまるモデルをチョイスすることが大切です」(吉田)
操作性重視や引っかけを防ぎたいのであれば、「VG3」「JGRフォージド」などもオススメだという。自分のスイングやミスの傾向によって、試打した上でモデルをチョイスしたい。
フェースターンして球をつかまえられる人は、操作性が高く叩けるモデルに
フェースが開いて球をつかまえられない人は、グース形状でつかまるモデルに