シーズンも終盤にさしかかり、賞金王争いとともに注目を集め始めるのが、翌年の出場資格をかけた賞金シード争いだ。これまでは国内男子ツアーの賞金ランク60位までの第一と61〜75位までの第二に分かれ、翌年のシードが与えられたが、2019年シーズンの出場権から出場資格が大幅に変更。レギュラーツアーの賞金シードは上位65位までとなり、かわりに下部ツアーのチャレンジツアーにチャンスが拡大される。
【写真】先週は14年チャレンジ賞金王・今平周吾が優勝
レギュラーツアーの賞金ランクで出場権を得られなかった選手には、主にチャレンジツアーの賞金ランクか、予選会のQTで上位に入るかの道が用意されている。これまでは、チャレンジ賞金ランク1位の選手に翌年のレギュラーツアーの年間シードを、同ランク2位からの数名と、QTでは35位までの選手に前半戦までの出場権が与えられていた。
それが、19年シーズンからはチャレンジ賞金ランク上位20人までに出場枠が拡大。同ランク1位への年間シードは変わらず、2位からの上位19人までにレギュラーツアー前半戦への出場資格が与えられることとなった。
今年レギュラーツアーに出場していたチャレンジ賞金ランク上位者は、2017年同ランク1位の大槻智春をはじめ7人(※1)。昨年では、16年同ランク1位の塚田好宣をはじめ9人のみ(※2)となっていたため、下部ツアーからの道が大幅に広がることになる。
男子下部ツアーといえば、今季からインターネットテレビ局の「AbemaTV」が特別スポンサーとなり、全試合を生中継。試合はすべて3日間大会となり、賞金総額は前年比5200万円プラスの1億8300万円に拡大。加えて、19年からは同ツアーが世界ランクの対象となることも決まった。
チャレンジツアーの盛り上がりに、昨年同ツアー賞金王となった大槻は、「僕が戦っていたときは賞金額も少ない中での賞金王でした。それが、レギュラーに近づいて十分すぎるくらいのものになる」と、昨年との変化を感じている。今季はレギュラーツアーにほぼフル参戦し、賞金ランクは44位とすでにシード獲得圏内へ。その大槻がチャレンジとレギュラーツアーとの差で大きく感じていたのが、1試合に対する執着だった。「これまでは、予選を突破しても賞金は4〜6万円ほど。チャレンジはレギュラーへの出場権を獲得する場であって、稼ぐ場所ではなかった」。レギュラーツアー参戦に向けて強い気持ちを持ち続けたが、反対に上位に入れなければ諦めてしまうこともあった。
それが、今年からのチャレンジツアーの盛り上がり、さらにはレギュラーツアーへのチャンス拡大という大きな変化を迎えた今、チャレンジツアーを主戦場とする選手たちにとって、さらに志気を高めることは間違いないだろう。
24日(水)にチャレンジツアーの今季最終戦「JGTO Novil FINAL」が開幕。レギュラーツアーへの道をかけて、最後の一試合に臨む。
※1、2
■2017年チャレンジ賞金ランク上位者
大槻智春(1位)、松原大輔(2位)、福永安伸(3位)、野仲茂(5位)、中里光之介(6位)、額賀辰徳(7位)姜志満(8位)
■2016年チャレンジ賞金ランク上位者
塚田好宣(1位)、丸山大輔(2位)、中里光之介(3位)、小鯛竜也(4位)、和田章太郎(5位)、小木曽喬(6位)、出水田大二郎(7位)、貴田和宏(9位)、北村晃一(10位)
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