今季最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で国内ツアー7勝目を挙げた小平智。昨年は平均ストローク、パーオン率、トータルドライビングでツアー1位となったほか、平均パット数、フェアウェイキープ率もツアートップクラスの数字をたたき出す総合力の高さを見せつけた。今年4月には「RBCヘリテイジ」で米ツアー初優勝を達成したスイングを、原江里菜、福田真未らを指導する森守洋コーチが解説する。
米ツアーで勝つスイングはこれだ!
小平のスイングの特徴として注目したいのが、アドレスとインパクトでの手元の位置。「アドレスよりも、インパクトのほうが手元が低いんです」。通常、アドレスよりもインパクトのほうが手元の位置が上がりやすくなるが、小平の場合は逆。これはインパクトを意識したアドレス作りに起因する。
「アドレスではハンドアップに構えているのが特徴です。インパクトでは遠心力でクラブヘッドのトゥ側が下がってしまうので、それを意識してのアドレスだと思います」。普通、ハンドアップに構えると、アマチュアならインパクトでボールにヘッドが届かず、トップの原因になってしまう。小平のすごいところは、インパクトではしっかりと手元が低くなっていること。「小平選手のすごさは、アドレスよりもインパクトのほうが手元が低くなっている。手元を浮かないようにするためには、左手の動きを減速させないこと。プロレベルでも左手はけっこう減速してしまうのですが、小平選手はスピードを保ったまま動き続ける数少ないプレーヤーです。そのため、手元が浮き上がらずにしっかりとインパクトを迎えていて、ボールをつかまえられる」。
インパクトから遡ってハンドアップにかまえることに加え、アドレスで前傾が浅いことも特徴。「これによって、無駄なストッパーになる箇所が減るので、回転しやすくなる。軸もしっかり固定されているし、インパクト後は無駄な力が抜けている。そりゃあ米ツアーで優勝しますよね、というスイングです」。
解説・森守洋(もり・もりひろ)/1977年2月27日うまれ、静岡県下田市出身。高校時代にゴルフを始め、1995年に渡米しサンディエゴにて4年間ゴルフを学ぶ。2002年よりレッスン活動を開始し、現在は「東京ゴルフスタジオ」を主宰し、多くのアマチュアをレッスンする一方で、原江里菜らツアープロのコーチもしている。
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