今季優勝した選手のスイングから強さの要因、そしてアマチュアが参考にすべき部分を探る“Playback LPGATour2018”。第9回は、5月の「中京テレビ・ブリヂストンレディス」でツアー初優勝を挙げたぺ・ヒギョン(韓国)。ツアー屈指のパワーヒッターの飛ばしの秘訣を、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が解説する。
並外れた“捻転力” 長距離砲ペ・ヒギョンのパワフルスイング【連続写真】
ヒギョンの特徴は“100%のフルスイング”。よくいえば“思いっきりがいいスイング”、悪くいえば“荒いスイング”。事実、飛ばし屋らしく、ドライビングディスタンスでは全体12位(245.29ヤード)ながら、フェアウェイキープ率は84位(57.5802)と決して安定感はない。韓国勢は8割程度でバランス良くスイングするタイプが多く、“方向性・飛距離をあわせもった中距離ヒッター”を理想とする印象があるが、そのなかで明らかに異質なスイングを披露する。
「バックスイングを見てもらえればわかりますが、並外れた捻転です。腰も同時に回しているとはいえ、左肩が飛球線後方(目標と逆方向)を向いていますし、背中でボールを見ることができている。そこで溜めた力を一気に開放するパワーヒッターで、身体の回転速度はツアーNO.1といえるでしょう」
アマチュアゴルファーがマネしたいと思ってもできないほどの“回転力”を生かすため、手元の動きはほとんどない。「これほど上半身をネジり上げているのにオーバースイングにならない。右ワキが開くことなく、クラブが地面と平行に近い。パワーをしっかりと伝える動きがあるからこそ、溜めた力を飛距離に還元できているのでしょうね」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、小祝さくらなどを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>