4月11日(木)に海外メジャー「マスターズ」が開幕。日本勢では松山英樹、小平智、今平周吾、金谷拓実(東北福祉大3年)の4人が出場する。毎年現場でテレビ解説を行っている芹澤信雄が、プロの目線からゴルフの祭典を解説。現場で見てきたコースの難しさや、出場選手について熱いトークを展開する。
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■“ゴルフの祭典”と言われるマスターズ。やはり、プロにとっても特別な試合?
「メジャーの中でもワンランク上の試合ですよね。プロにとっては当然憧れ。僕は現場でレポートをさせてもらっているけど、藤田(寛之)が出ているのを見たときは『うわ、藤田が出ている!』と鳥肌がたったくらいです。あそこに出られるというのは本当にすごいことだと思います」
■その特別さはどこに?
「まず、前提として世界ランク50位内にいないと出場できないし、ほかのメジャー大会と違って、マスターズは予選会すらない。日本人が世界ランク50位内に入ってマスターズに出るためには、日本で最低5勝くらいしないとだめでしょうね。出場枠もせまいですし観客を“パトロン”と呼んだり、ラウンドレポートをしていても他のメジャー大会は中(ロープ内)に入れるが、マスターズは一切入れない。格式高い試合ですよね」
■その舞台となるオーガスタ・ナショナルGC。言ってしまえば毎年同じコースだが、難しさはどこにある?
「まずは、グリーンのスピードと傾斜。アンジュレーションがすごいので上から落として止めないといけない。そのためのアイアンの精度が必要。毎年やっているから、選手たちは戦略を分かっているはずなんです。なのにミスをする。同じコースなだけに、ミスがハッキリと分かってしまうんです。あとは風の読み。12番(パー3)なんかがそうですね。風向きが数秒の間に変わると言われていて難しい。距離は150ヤードほどなので本来ミスは少ないはずなのに、(手前の)池に入れてしまったり、オナーが池に入れると次の選手はオーバーしたり、世界のップ選手があれだけミスをしてしまう。幅が狭いので難易度も上がりますが、風の読みも重要です」
■その難関コースで、今年は誰が優勝すると思う?
「ツアーチャンピオンと世界ランク上位者しかいないので、ほとんどの選手が絶好調で大会に入ってくる。だから毎年最後まで、誰が優勝するか本当に予想できません。でもおもしろいもので、いつも同じメンバーが一度は上位に来るんです。フィル・ミケルソンやタイガー・ウッズなど、戦略を知っている選手がやはり強い。そういったベテランが強いのはもちろん、マキロイなんかはマスターズを獲れば4大メジャーすべて制覇となるので、より一層気持ちが強い。ベテランと若手選手が競れば高いも盛り上がるだろうし、世界のトップ全員がグリーンジャケットを狙っている中で、4日間ピタリとはまった人が優勝するんでしょうね」
芹澤信雄
1959年11月10日生まれ、静岡県出身。1982年にプロ転向し、96年の「日本プロマッチプレー」など国内男子ツアー5勝。甘いマスクと明るいキャラクターで、テレビ番組でも人気者となる。藤田寛之や宮本勝昌など、芹澤に教えを請うプロも多い。毎年マスターズのテレビ解説を行っている。
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