今週、現地時間11日(木)にいよいよ海外メジャー「マスターズ」が開幕。日本勢では松山英樹、小平智、今平周吾、金谷拓実(東北福祉大3年)の4人が出場する。2018年10月の「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で7年ぶりの日本人優勝を決めた金谷。この優勝で19年の「マスターズ」「全英オープン」への出場権を勝ち取った。アジア最強アマは、マスターズ開幕を前に何を思うのか。プロ転向を見据え、自身の将来像について語る。
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■現在大学3年生ですが、プロ転向の予定は?
「大学卒業と同時にと考えています。東京五輪に出たいという思いがあったので、高校卒業後に(国内ツアーの)QTを受けたんです。両親にはQTの最終6日間まで進めなかったら大学に行きなさいと言われていました。そのときはプロになることをあまりよくは思っていなかったみたいです。(QTを)受けたら、実際だめで。時間もない中でしたが、(同大出身の)比嘉一貴さんから東北福祉大は環境が良いと進めて頂いた影響もあって、ここに決めました。プロをたくさん輩出している大学で、うまい人の近くでプレーをしたかったという思いもありました」
■プロ転向後、挑戦したいのはやはり米ツアー?
「はい。ウェブドッドコムツアー(米男子下部ツアー)か、欧州ツアーに行けたら最高だと思っています。日本はあまり考えていない…と言いたいんですが、どうなるか分からないですよね。でも、とりあえず海外に行きたいという気持ちは強いです」
■海外志向の強さは、いつから?
「大学に進んでナショナルチームに入って、海外の選手がどんどんチャレンジしているのを見てからですね。以前、ナショナルチームのガレス・ジョーンズコーチに、『レベルの高い場所でもまれた選手は成長していく』と言われたことが、すごく印象に残りました。
同じナショナルチームの中島啓太くんとも、強くなるには海外でやらないといけない、という話はしています。ジョーンズコーチもそれはすごく言っていて、自分たちがロールモデルになれば、どんどん下の人がついてきて、(ゴルフ界)全体がもっと強くなるんじゃないかと考えています」
■金谷選手にとって、ロールモデルとなる選手はいますか?
「特定の選手は挙げられないのですが、たとえうまくいかなくても、そこでもがいてステップアップできる選手になりたいとは思っています。ゴルフだけでなく、野球やサッカーでも、メジャーに行ってうまくいかなくて日本に帰ってくるということもあると思います。僕の理想は、うまくいかなくてランクが下の下部や2部ツアーに落ちたとしても、そこから這い上がって上で戦えるように頑張っていくことです」
■理想のプロゴルファー像はありますか?
「ゴルフだけでなく、見ていて清々しい気分になる人間になりたいです。今はなかなかなれていませんが…。自分が小さいときにプロの試合を見に行ったときに、やっぱりサインをもらったら嬉しかったし、自分もそういった心遣いができる選手になりたい。それを、意図的に作るのではなくて自然にできるような、見ていて気持ちの良い人になりたいと思っています」
金谷拓実
1998年05月23日生まれ、広島県出身。東北福祉大学に在学中。2015年「日本アマチュアゴルフ選手権」で最年少優勝を果たすと、17年の「日本オープン」では池田勇太と優勝争いの末に1打差の2位に入った。18年「アジア・パシフィックアマチュア選手権」で優勝し、19年「マスターズ」、「全英オープン」と海外メジャー2戦の出場権を獲得。アジアアマでの日本人選手の優勝は、11年の松山英樹以来の快挙となった。
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