<ヨネックスレディス 初日◇7日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6456ヤード・パー72>
今季すでに5勝を挙げている黄金世代で、次の初優勝が期待される一人である吉本ひかる。その吉本と名字が同じで、名前は同じくひらがな。それゆえ「よく間違えられるんです(笑)」という吉本ここねが、“ひかる”不在の「ヨネックスレディス」で6アンダー、自身初となる単独首位発進を決めた。
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今季8試合に出場して予選突破は3回というルーキーが躍動した。序盤はパーが並ぶ展開が続いたが、16番でカラーから7mを沈めて最初のバーディを奪うとスイッチオン。次の17番では手前花道からチップインバーディ、さらに折り返してからは4バーディを奪ってボギーなし。「大きなミスがなかったのが良かったですね」と本人もちょっぴり驚きのスタートとなった。
結果にとらわれすぎずにできたのが好発進の要因。「これまではボギーなどを打ったりミスをすると、落ち込んでしまって次のホール以降でも気持ちを引きずってしまっていました」。4月の「スタジオアリス女子オープン」では初日に一時は3アンダーまで伸ばすが、後半の9ホールでダブルボギーを叩くと、極めつけは最終ホールでトリプルボギー。この予選落ちは明らかにメンタル面が原因だった。それ以降も予選を突破しても最高位は39位と苦しむ中で、「大事なのは丁寧に目の前の一打に集中。一つひとつの結果にとらわれすぎない」という考えに至る。それが今週ようやく「あまり動揺せずにできた」と実った。
北海道札幌市出身の19歳。昨年プロテストに合格したばかり。ツアー転戦は一年目で、「大好きです。今でも住んでいます」という地元には中々帰ることができない。それでも別のところに拠点を構えるつもりはないという。「たとえ雪でコースに行けない時期が長くとも、北海道から離れたくない。冬場は、ラウンドができませんが、その期間でスイング改造に取り組むことができますし、トレーニングにも打ち込める」。ハンデとなりかねない状況すらも前向きに捉えるほど、北の大地を愛している。
身近に地元の先輩がいることも心強い。こちらも名前がひらがなの小祝さくらである。「年齢が1つだけ上で、学生のころから試合で一緒になったりしていました。さくらさんは1年目からシードを獲得されていて、今年も活躍している。身近にすごい選手がいて、とても刺激をいただいています」。事務所も同じという目指すべき存在がいることも、ツアーで戦う指針の一つとなっている。
ゴルフを始めるきっかけとなった父は、最近、会社の仲のいい人から「先週も頑張っていたね」と声をかけられるという。だが、それは“ひかる”との勘違い。それ以外にも同性ということで「姉妹ですか?」と聞かれることも少なくない。そんな間違いを一掃するためにも。明日以降も上位で存在感を発揮したい。(文・秋田義和)
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