国内女子ツアーの開幕を10日後に控えた15日(月)、渋野日向子がメディア向けの会見を開催。昨年の「全英AIG女子オープン」で日本人として42年ぶりの海外女子メジャー制覇を果たした際にキャディとしても参戦した青木翔コーチとともにリモートで取材に応じ、現在の心境を語った。
ようやく迎える開幕を前に「緊張」という言葉で心境を表したが、表情はいつもの渋野らしい笑顔をいっぱいのもの。思いがけず半年以上の長いオフとなってしまったが、充実したトレーニングと小技の研鑽で、戦う準備は整ってきた。
25日開幕の「アース・モンダミンカップ」でスタートする今シーズンだが、今季はすでに21試合が中止を発表しており、残りがすべて開催されるとしても16試合。そのため日本女子プロゴルフ協会は2020年と21年を統合する案を発表。長いシーズンの幕開けに渋野は何を思うのか。
初戦については「目標は予選通過です!」と控えめに話すが、オフのあいだに取り組んできたアプローチや飛距離アップ、スイングの再現性などは青木コーチも合格点をつける出来。「試合がなく自由時間が多かったですが、自分のやることは見失わずにやってきた。練習は今までよりやってきたので、あとは実戦で仕上げていけたらなと思います」と、まずは仕上がり具合をチェックすることになる。
アース・モンダミンカップ後、国内ツアーの2戦目は最短でも8月中旬以降。8月20日からはディフェンディング大会の全英も今のところは予定されており、さらに9月以降は日本ツアーとともに米ツアー、そして海外メジャーも控えるため過密日程は必至だ。
「アメリカツアーも挑戦しながら日本ツアーも戦っていけるようにしたい。悔いのない1年にできたらなという気持ちが強いです」と今後を見据える渋野。「海外メジャーにももちろん出たい気持ちがあります」と力強く宣言するが、海外渡航にはさまざまな障壁が待っていることも理解の上だ。
今後の動向次第だが、入国、帰国を繰り返すことになれば自主隔離や待機期間の問題も出てくるうえに、「アメリカやイギリスに行ったときの医療体制などを考えると慎重になります。彼女の後悔したくないという気持ちも尊重しながら決めたいです」と青木コーチも神妙に話す。コロナ次第という点では、今後のスケジュールには頭を悩ませることになりそうだ。
本来であれば今頃は、8月に行われるはずだった東京五輪の出場権をかける争いのクライマックスを迎えていたはずだが、そこについても渋野は前向きに捉えている。「延期になったことはショックでしたけど、あと1年間で世界ランキングをもっと上げられるように、積極的にできたらと思っています」。目標としてきた五輪出場、そして母国でのメダル獲得に向けての思いは変わっていない。
世界中を混乱に陥れたコロナ禍の影響で、見通しの立たない時間はこれからも続くが、「米ツアーで戦いたいという気持ちは変わりません」と、時期こそずれ込む可能性が出てきたものの世界進出計画が白紙になったわけではない。まずは国内開幕で好結果を出し、気持ちよく夏以降の戦いに入って行きたい。
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