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笹生優花と小祝さくらの勝敗を分けたもの 「ショットは負けてない、グリーン上は笹生さんが断然上だった」【辻にぃ見聞】

上田桃子、小祝さくら、永井花奈、松森彩夏、吉田優利らを教えるプロコーチの辻村明志氏。「AIG女子オープン」では上田のキャディを務め、日本人最上位の6位という成績をサポートした。「ニトリレディス」は英国からの帰国による自主隔離期間で、自宅から愛弟子の小祝と優勝した笹生優花のデッドヒートを見守ることとなった。辻村氏から見て、2人の勝敗を分けたのは何だったのか?
マキロイがお手本 笹生優花のドライバーショット【連続写真】
実は辻村氏は、昨年のプロテストの会場で笹生を見ていた。「私の教え子の15打席くらい後ろで打っている選手に違和感を覚えたんです。『あの子は誰?』って聞いてしまったくらい。インパクト音や回転スピードが全然違う。失礼な話ですが、小柄な男子が打っているのかと思ったくらいです。今思えば、それが笹生さんでした」。辻村氏はそう振り返る。
笹生の女子離れしたすさまじいスイングを目の当たりにした。「あれだけ打ち出し角が高いのは、回転力が強いから。体幹、特に広背筋が強烈です。加えて脚力も強い。小祝さんも打ち出し角が高いのが特長ですが、笹生さんは異次元というくらい最高到達点が高い。だから小樽CCのタフなセッティングでも止まる球が打てるんです」。
小祝もオフの合宿を経て大きく成長を遂げた。それは、優勝した笹生が13アンダー、2位の小祝が11アンダー、その下の3位が3アンダーというスコアから見ても明らかだろう。ほかの選手が雨と風で次々とスコアを落としていくなか、2人だけは別次元の世界にいた。
最後は小祝が競り負ける形となったが、「ショットでは負けていなかった」と辻村氏はいう。「飛距離とかパワフルさを見てしまうと、勝負にならない。でも、雨という条件もあって、ティショットでは10〜15ヤードしか変わらなかった。そこは言い訳にならない。実際、飛距離は抜きにして、ショットのミスは小祝さんのほうが少なかったと私は思っています」と中盤まで互角だった勝負を振り返る。
「やはり勝敗を分けたのはパッティング。笹生さんはまったくミスパットをしていない。出球とボールスピードが、打った瞬間から合っていた」
確かに、なぜだかはわからないが、笹生には構えたときから入りそうな雰囲気が漂っていた。「それは、姿勢も目つきも、打つまでの間合いも含めて、入りそうな『オーラ』として見えるんだと思います。不安な人の姿勢ではない。小祝さんは打った瞬間に『弱い』というのが何回もあった。笹生さんにはそれがない。特に3m、4m、5mのミドルパットで、浅めのラインで打てていたんです」と辻村氏は説明する。
ここに、今季プロデビューから3戦で2勝を挙げた笹生の凄みがある。「飛ばし屋というのはパワーに走りがちだから、アプローチやパッティングで繊細なタッチが出てきづらかったりするものなんです。タイガー・ウッズやダスティン・ジョンソンは別ですけど。笹生さんはすごく飛ぶのに、距離に対しての勘もいい。今までの日本の女子にはいなかったタイプだと思います」。
ニトリレディスの最終日は大雨でグリーンスピードは遅くなり、多くの選手が対応に苦しんでいた。なぜ、笹生はショートしなかったのか? 「パッティングのフィニッシュで『ビタッ』と止まるのが驚異的。『ピタッ』ではなく『ビタッ』なんですよ。フォローをなるべく小さめに抑えてフェース面を打ち出したい方向に向けているから、緩まず打ち抜けるし、タッチが合う。断然笹生さんのほうが上だった」。笹生自身、「パッティングはタイガーを参考にしている」と公言している。ウッズはゆっくり大きくストロークするのではなく、小さなストロークでしっかり強く打って、4大メジャーで15勝を積み上げた。
ただ、小祝のパッティングがそこまでひどかったわけではない。笹生が良すぎたのだ。今シーズンの平均パットを見ても、小祝は14位と上位にいる。ただし笹生は2位なのだが。「狙うパットと寄せるパットの柔軟なメリハリ、状況判断は小祝さんにもある。ただ2人を比べてしまうと負けている。本人がその差を一番分かっているはずです」と辻村氏はいう。
そして試合が終わった後、小祝には「次またやろう」と伝えただけで、反省の言葉は1つもかけなかった。「16番くらいで万事休すとなったときの、あの表情はあまり見たことがない。悔しそうな顔を見たら、私がとやかく言う必要はないと思ったのです。これまでも彼女は負けた分だけ強くなってきた。また強くなるはずです」。翌朝、いつもと同じように元気にトレーニングする小祝の姿があった。
ルーキーながら今シーズン3戦で2勝と、国内で圧倒的な強さを見せつけた笹生。次の興味は海外でも勝てるのか?ということだ。
「海外で勝ちそうか、ではなく、いくつ海外メジャーを獲るのか。私はそう思っています」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、山村彩恵、松森彩夏、永井花奈、小祝さくら、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに生かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。著書には『ゴルフ トッププロが信頼する! カリスマコーチが教える本当に強くなる基本』(河出書房新社)がある。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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