<スタンレーレディス 最終日◇11日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6572ヤード・パー72>
トータル5アンダーで並んだ淺井咲希、ペ・ソンウ(韓国)とのプレーオフを制し通算2勝目を挙げた稲見萌寧は、自身の強みを生かして優勝をつかみとった。
5バーディでボギーなし。終盤のチャージで優勝争いに絡み、最後にカップを手にした。その要因について聞かれると、最終日に100%を記録したパーオンを挙げ「ボギーを打たなかった」理由とした。
昨年はパーオン率で「78.2079%」を記録し、並み居る強豪を押しのけツアー1位の座についた。ここへのこだわりは「譲れない部分」と強く、今シーズン開幕前にはその数字を「80%」まで上げることを目標に、ショット練習に励んできた。しかし「意識しすぎてオフはショット練習に時間を費やしすぎて悪くなりました」と、なかなか成績につながらず。ようやく富士山の麓で、その長所が輝いた。
グリーンを狙うショットの精度の秘密は? 稲見はそう聞かれると、こんな考えを口にした。「私はドローやフェード、球の高低を打ち分けない。持ち球一筋で、それを安定させたほうが強いと思う。そこから安定が生まれているのかな」。フェーダーの稲見は、試行錯誤はあまりせず、自らの武器を磨き続ける。そして「得意と思いこむことが大事」と自分を信じきる。
この大会を終え、先週まで「78.2051%」で2位だったパーオン率も「78.5185%」に上昇。“指定席”の1位に躍り出た。プレーオフの権利をつかんだ正規の最終18番のバーディも、残り119ヤードの3打目を9Iでコントロールし70cmにつけ奪ったもの。同じホールで行われたプレッシャーのかかるプレーオフでも、やはり残り86ヤードの3打目を4mとピンに絡め勝利につなげた。自分の強みをいかんなく発揮しつかみとった2勝目だった。(文・間宮輝憲)
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