<伊藤園レディス 2日目◇14日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
吉本ひかるが、古江彩佳と並ぶトータル10アンダー・トップタイに立った。“運も味方に”した黄金世代の一人が、このまま悲願の初優勝へと突き進んでいく。
絵になる二人 シブコとエリカ【大会フォト】
首位と3打差の5位タイからスタート。「まだ2日目ですし優勝とかは考えず、スコアを伸ばすことを意識しました」という言葉通り、バーディを積み重ねた。6バーディに加え、ボギーフリー。「緊張もすると思うし、体が動かなくなることもあると思う。でも、その時にやれることに集中したいです」と、あすの優勝争いへと向かっていく。
大きくスコアを伸ばした一日には、本人も「ラッキー」と振り返る場面もあった。それが前半の9番パー4のセカンドショットだ。そこまで3つのバーディを奪うなど快調なラウンドを続けていたが、残り169ヤードから7番ウッドで放った打球は、右に出て池へと一直線に向かっていった。さすがに「入ったな」と池ポチャも覚悟。しかしこれが、その池を囲むように立てられていた枕木に当たって跳ね返り、“グリーンオン”した。
「打つ場所から木が見えて、それを意識したつもりはなかったんですけど、反射的に右に出てしまいました。やっちゃったな(と思った)。当たりがよくなかったから池の手前に落ちるかなとも思ってたんですけど、ラッキーでしたね」。ここできっちりとパーを拾い、後半の3バーディにつなげた。
昨年は「フジサンケイレディス」や「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で優勝争いの末に敗れ、涙にくれた。だが「目標」に掲げるツアー勝利へ向け、その一つひとつが経験として生きてくる。「選手権ではOBしてしまって、そこから立て直せなかった。それはもったいないなって、その後思いました。あすは諦めないように」。
“ゴルフは何が起こるか分からない”。そんな言葉を体現するようなプレーを見せた吉本が、初優勝目指して最後の最後まで懸命のプレーを続ける。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>