<ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日◇6日◇東京よみうりカントリークラブ(東京都)◇7023ヤード・パー70>
2020年の最終戦。最終盤で首位に3人が並ぶ混戦は、プレーオフを待たずして勝敗が決した。
パーパットを外して苦笑いする谷原秀人【大会フォト】
最終組の谷原秀人、岩田寛がトータル8アンダーで17番に入ったとき、1組前のチャン・キム(米国)が17番でバーディを奪ってトータル8アンダー・トップタイへ。最終18番パー3はボギーが続出の鬼門。抜け出すならば、チャンスホールの17番パー5でバーディを獲るしかない。
ここで岩田が1メートル弱のチャンスにつけるスーパーショットを見せたが、「ミスパットでした」とカップをそれて入らずに2パット。谷原もここでチャンスを逃し、キムが難関18番をパーで締めたことで、トータル8アンダーのトップに3人が並んだまま、最終組は18番に突入した。
先に上がった選手たちも、勝負の行方を見届けようと18番グリーンに集まる。会場中の視線を集めるなかで放ったティショット。ここでキムとの明暗が分かれた。岩田は1オンに失敗し、左のラフへ。2打目で1メートル強に寄せたが、「全然ラインが違いました」と、奥からのバーディパットはまたもやカップをそれて入らずボギー。
一方の谷原は1オンに成功したが、10メートル以上のロングパットが残った。2パットでおさめればプレーオフ進出という状況だったが、「パチーンと打ったけど、全然届かなかった」とファーストパットは大きくショート。続くパーパットも外してこちらもボギーとし、プレーオフ進出はならず。「まだ下手なんですよ。もっとうまくならないといけない。中途半端なんですよ」と惜敗を噛みしめた。
岩田は2015年、谷原は16年に勝利を挙げて以来、優勝から遠ざかっていた。単独トップから出た岩田は「呼吸がずっと浅くて、息苦しかった」と、久々に単独首位で迎えた最終日への重圧もあった。「もっともっと練習していこうという気になった」と、無念の結果を受け止める。
今年は12人の初出場選手が顔をそろえる中で、存在感を示したベテラン2人。「日本のレベルを上げたい」と谷原は語ったが、金谷拓実らを筆頭に若手選手が台頭するなか、自らの活躍で後の世代に道を示したい。(文・谷口愛純)
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