<全米女子オープン 事前情報◇9日◇チャンピオンズGC(米国テキサス州)◇サイプレスクリークコース(6731ヤード・パー71)、ジャックラビットコース(6558ヤード・パー71)>
思わぬかたちで3年ぶりの大舞台への出場が決まった渡邉彩香。コロナ禍のなか、意を決して渡米し待機選手1番手として待ち望んだ出場は、水曜日の朝にその報せが舞いこんだ。
日曜から現地入りし練習ラウンドを重ねてきた。「4日間くらい待っていました。ドキドキ、もやもや」。せっかく渡米しても出場が叶わなければ無に帰する決意のウェイティングだったが、「うれしいです、よかったです」と笑顔を見せる。
渡邉にとってこの大会は思いが詰まっている大会だ。「毎年出続けたいメジャー。調子が悪い時期もあったので、ひさしぶりにこうやって出られてワクワクという感じ」。3年ぶり4回目の出場となるが、渡邉の全米女子オープンといえば、やはり思い出されるのは2016年大会だ。
リオ五輪の日本代表を決める大一番で、最終日最終ホールを迎えるまでは代表の枠を手にするかに見えた。ところが最後の最後で池に入れてしまい、結果的に世界ランキングを上げられずに代表の座を逃し涙した。ちょうどその時期から、低迷期に入ってしまった。
そんな苦しい期間を乗り越え、今年は6月の「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりのツアー優勝。「優勝でかなり世界ランキングも上がった。気持ちは乗っているというか、今年はいいシーズンを過ごしたので、自分のプレーに自信を持ってこられたかなと思う」と、スランプ脱出で気持ちも前向きに転じた。
今大会は2コースを使用しての異例の大会で、予選ラウンドのうち1ラウンド、そして決勝ラウンドで使用されるサイプレスクリークコースは6700ヤード越え。各選手が「長い」と警戒するが、そこはロングヒッターの渡邉にとっては有利に働く。「ティショットがすごく打ちやすいので、いつもより振れている感じ」と頼もしい言葉も口をつく。
リベンジと同時に、新生・渡邉彩香を披露する場。思う存分かっ飛ばして、4年前の借りを返す。
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