今年1月、本間ゴルフから衝撃の発表があった。2013年のプロ入り以来、クラブ契約フリーを貫いてきた成田美寿々が同社と用品契約を締結したのだ。「自分自身の技術の向上も大事ですが、それ以上に自分に合ったギア探しが大切」というツアー通算13勝のトッププロが、本間ゴルフのどこに惹かれたのか。国内で調整を続けている本人に話を聞いた。
例年、オフは米国で合宿を張っていたが、コロナ禍で中止に。それでも成田は寒い日本での準備期間をポジティブにとらえている。「クラブ契約を結んだばかりなので、すぐにレスポンスをしたい。『クラブを送ってください』と言ってもアメリカにいたら受け取れないけど、日本だったらできるし便利です」と明るく話す。
この『レスポンスの早さ』が、今回の用品契約のキーワードでもある。
「昨年は人と会えない時期が続いてクラブの調整が難しかった。クラブに関してはずっと父が見てくれていたので、そろそろプロフェッショナルと呼ばれる方にしっかりと見てもらいたいという思いはありました。
そのなかで、アメリカのメーカーさんだと、『これやりたい』と言ったときに時間かかることがありましたが、本間ゴルフさんは日本で作っているメーカーなので、すぐにやってくれる。匠と呼ばれる職人の方々もすごくレベルが高いと思いました。やはり日本製というのも大きかったかもしれないですね」
■HONMAのクラブの印象は?
そう話す成田の真新しいキャディバッグには、すでにドライバー、ユーティリティ、アイアン、ウェッジと10本の本間のクラブが収まっていた。そのことからもクラブへの高い信頼がうかがえる。今後調整が進んでいけば、3月4日に沖縄で開幕する「ダイキンオーキッドレディス」までに、もっと本数が増える可能性もあるだろう。
「契約フリーのときは、本間ゴルフさんのクラブはドライバーを一回打ったことがあるくらい」という成田に、クラブの印象を聞くと、「いま流行りの大きいヘッドということはなく、昔ながらのシャープなカッコいいヘッドが多かった。昔ながらの良いところを生かしながら、いまの技術を取り入れているように感じました」と、らしい答えが返ってきた。
フェード、ドロー、そして球の高低を打ち分ける成田にとって、すべてがイメージできる“顔”でないと、試合では使えないのだ。では実際に打ってみた感想は? 「私はけっこう打球音にうるさいのですが、最初にドライバーを打ったときにすぐ気に入って、そこがまずクリアになった。アイアンも顔と音と飛び方のイメージがマッチしたので、契約しようと思ったんです」。
■『T//WORLD GS』を打った感想は?
また、HONMA好きなゴルファーにとって気になるのは、1月29日に発売されたばかりの新シリーズ、『T//WORLD GS』の性能だ。これも成田にぶつけてみた。「ドライバーは簡単に上がってつかまりやすいヘッドだと思います。スライスで悩んでいる方にはピッタリですね。上がる割にはスピン量が多いわけではない。私がいま入れている『T//WORLD TR20-440』よりもスピン量が少ないので、高弾道低スピンの良い意味で“棒球”が打ちやすいと思います」。
“+10ヤードを超える驚き”がキャッチフレーズの『T//WORLD GS』には、成田も飛距離性能の高さを感じているようだ。実際、1月にオンラインで行われた新製品発表会では、シーズンオフにも関わらず264ヤードを記録した。『T//WORLD GSドライバー』のソールに配されている大きな溝、『クランクスリット』が高初速を出すために良い仕事をしてくれる。しかも調角機能が付いているので、ライ角、ロフト角、フェース角を変えて、好みの弾道に合わせることもできる。
シーズン再開となるダイキンオーキッドレディスまでおよそ2週間。成田は昨年、極度の不振に陥り、ファンを心配させたが、終盤に復調してきた。そして、20年と21年が統合された長いシーズンの途中に、HONMAという新しい武器を手に入れた。「昨年はとても苦しい時期を送っていましたが、今は心身ともに絶好調になりました。このクラブがあればかつてない成長が実現できる」と成田は発表会で宣言。『勝利』という結果でそれを証明したいところだ。
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