<リゾートトラスト レディス 2日目◇28日◇セントクリークゴルフクラブ(愛知県)◇6605ヤード・パー72>
そのプレーで2日目の主役に踊り出たのは22歳の黄金世代・山路晶だった。国内ツアーで男女通じて初となる1ラウンドで2度のホールインワンを達成。「ツアー史上初ということは知らなかったので、驚きも強いし、うれしい気持ちです」と本人も目を丸くする1日となった。
最初に喜びがピークに達したのが、第2ラウンド開始直後の3番(150ヤード)だった。ここで9番アイアンを振り抜くと、マウンドにキャリーしたボールがピン手前からコロコロと5ヤードほど転がり、そのままカップイン。「うれしくて、みんなで『イェーイ!』ってやりました(笑)」。昨年の「富士通レディース」第1ラウンドに続く2度目のエース達成を、同伴競技者の篠原まりあ、藤田光里らと喜び合った。
だがこれだけでは終わらない。そこからボギー、ダブルボギーを挟み迎えた7番(175ヤード)ですぐさま2度目のエースを達成。「3番で入ってるし、まさか決まるなんて。『こわーい』って思いました。その時は『うえっ』って感じで“やばすぎっ”と思いました」。このときは、もはや喜びを通り越して恐怖心すら湧くほどだった。
このJLPGAツアー初となる2度のホールインワン達成で、大会を主催するリゾートトラストから賞金100万円が贈られることも決まった。もともと3番でかけられていた10万円と合わせ、2打で110万円を手にすることになった。最終日ならそれぞれのパー3にホールインワン賞800万円がかけられているため合計1600万円となったが、「こんなにいただけると思わなかったのでビックリしています」と、110万円もありがたい話だ。
しかし、この話にはこんな“オチ”も…。エース2つを記録したものの、4つのボギー、さらに1つのダブルボギーがたたりトータル4オーバー・75位タイで予選落ちを喫してしまったのだ。「ショットは良かったけど、ドライバーが曲がってしまって。予選は通りたかったです。ホールインワンは2回できたけど複雑ですね」。荒波ラウンドに、苦笑いを浮かべるしかなかった。
1大会で3つのホールインワン達成なら、こちらもツアー史上初の快挙だった。それだけに、決勝ラウンドでチャレンジしたかったという気持ちも「もちろんありました(笑)」。惜しくも挑戦権は逃したが、それでも多くの人の記憶にハッキリと残る偉業には間違いない。「(エース達成球は)違うボールでした。1個はOBしてなくなりました。ハハハハハ」。最後は“劇場型の極み”ともいえる1日を、こんなエピソードとともに豪快に笑い飛ばした。
<ゴルフ情報ALBA.Net>