<全米オープン 事前情報◇16日◇トリーパインズGCサウスC(米カリフォルニア州)◇7652ヤード・パー71>
世界でもっとも過酷な戦いといわれる「全米オープン」がまもなく開幕を迎える。今年の舞台はカリフォルニア州サンディエゴのトリーパインズGCサウスC。市営のコースながら全米を代表する名コースだ。
当地で本大会が開催されるのは2008年以来2度目。13年前の大会を制したのは、タイガー・ウッズ(米国)。72ホール目のバーディでロッコ・メディエイト(米国)に追いつき、月曜日の18ホールプレーオフに突入。ここでも決着が付かず、さらにエキストラホールを戦い、計91ホールの激闘を制したのは記憶に新しい。ちなみに、72ホールのスコアはトータル1アンダー。今年もガマン大会となるのか。
トリーパインズは、米国男子ツアーの「ファーマーズ・インシュランス・オープン」の開催コースとしても有名だが、特徴や注目すべきホールについて、あらためて見てみたい。
1957年に開場したサンディエゴ市所有のパブリックコースは常にゴルファーであふれかえる人気コース。ウィリアム・ベル父子により設計されたサウスCはコースデザイン家のリース・ジョーンズをはじめ、幾度となく改修が施されてきた。太平洋を望む立地で、海風も強く吹きつけるのが特徴だ。
景観も美しいが、そこにだまされるわけにはいかない。3番のパー3は195ヤードだが、風向きによってはウェッジからロングアイアンまでを駆使することになる名物ホールの一つ。18番のパー5は、コース内で唯一の池がグリーン手前に待ち受ける。そして、その18番は08年大会時、もっとも易しいホールとなっており、ここでドラマが生まれる可能性も高そうだ。
同コースで育った選手も多く、サンディエゴ出身のザンダー・シャウフェレ(米国)もジュニア時代から慣れ親しんできた。同じく同地を地元としているのがフィル・ミケルソン(米国)。ファーマーズの前身大会では3度の優勝を誇るなど、コースを熟知している一人。世界ジュニアを開催してきたこともあって、なじみが深い選手も多い。
世界一のゴルファー決定戦を行うにふさわしいトリーパインズ。深いラフに硬く締まったグリーン。選手の行く手を阻む難コースは、いったいどんな結末を演出するのか。
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