<GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ 初日◇16日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県) ◇6657ヤード・パー72>
プロゴルフのトーナメントは1位から順位に応じて賞金が配分されるが、勝負という面から考えると勝者と敗者しかいない。勝者になるのは、優勝を遂げたたった一人だ。
小祝さくらは「目標は毎回、優勝です」と、言い切る。これは自分自身を鼓舞するためでもあるし、負けたくないという勝負師としての姿勢の表れなのであろう。だが大会初日、ディフェンディングチャンピオンの小祝は5オーバー・113位タイというまったく満足できない成績で終わった。
2020-21年シーズンで、これまで予選落ちは20年「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」のみ。明日でかなり挽回しないと、21年では初めて、シーズンでは2試合目の予選落ちを喫することとなる。
21年は前週までの19試合にすべて出場。トップ10フィニッシュが優勝2回を含めて9回。最も悪い成績でも「パナソニックオープン」の29位タイと好成績を収め続けていたが、小祝の勝利の歯車がズレ始めているのだろうか。
本人は「得意のショットが安定していない。すごく悪いわけではないが」とは言っていた。確かにショットが乱れれば、距離のあるパットが残るうえに、グリーンを外すことも多くなる。長く難しいパットばかりが残るようになれば、短いパーパットすらしびれることになっていく。パットでイヤな外し方をすれば、次のティショットへの悪影響もある。逆にショットがよければ、やさしいパットを打てる位置に球を運べて流れはよくなる。前の1打がこれから打つ1打に大きく影響するのがゴルフだ。だからこそ、ショットが武器と考える小祝が、そこにこだわるのは分かる。だが、小祝を指導する辻村明志コーチは、「調子は悪いわけでもない。今の自分のゴルフとどう向き合うのかが大事」と話す。
明日、5アンダーを出して2日間イーブンパー、できればアンダーパーに持っていきたい。そうすれば予選通過も見えてくる。今の自分と向き合い、小祝はどう折り合いをつけてくるのか。明日のラウンドが楽しみだ。(文・河合昌浩)
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