<GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ 最終日◇18日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県) ◇6657ヤード・パー72
初日9アンダーでトップタイ、2日目に4つスコアを伸ばし13アンダーで単独トップ。最終日、2位の若林舞衣子に1ストローク差をつけスタートした野澤真央だったが、その若林とのマッチレースの末、プレーオフに敗れ初優勝を逃した。
「久しぶりの最終日最終組。優勝争いをすると、これまではいつも崩れていました。きょうはまったく崩れない若林さんについて行くのがやっとでしたが、おかげでしっかりプレーできたと思います」と、激戦を振り返った。
野澤はスタート1番でボギーを叩いたが、3番、4番をバーディで盛り返した。だが、6番で痛恨のダブルボギー。波のある出だしだった。一方の若林はスタート1番でバーディを獲ると、淡々とパーを重ね、前半はボギーを打たないゴルフ。その若林の背中を野澤は追いかけ続けたという。
ダボを叩いた野澤の姿をギャラリーとともに歩いて見守っていたコーチの青木翔氏は、「あれは仕方ない。初優勝を狙う者は挑戦者。追いかけるほうがいい」と言っていたが、6番のダボは攻めた結果。悔やむことではない。そんなことは承知しているというかのように、そのあとの野澤の集中力はすごかった。3つのバーディを獲り、最終18番でボギーを叩いた若林に追いつきプレーオフに持ち込んだ。
「後半に入ってからは緊張しっぱなしでした。きょうは曲げてボギーもダボもあったけど、気持ちを切らさず攻め続けられました。しっかりバーディを獲って若林さんに食らいついていったところは、自分をほめてあげたいです」
熱戦を終えた後、いつものように崩れなかった自分を労った。今季は予選落ちを繰り返すことも少なくなく、いいときと悪いときの調子の波が激しかった。だが今週の3日間は崩れずに耐えきり、成長した姿を見せた。
ただ野澤に足りなかったのは、絶対に勝つという強いむき出しの気持ちだったのではないだろうか。もちろん野澤だって勝ちたいとは思っていただろう。だが、「先週は堀(琴音)さんの強い気持ちに負けたので、今週は絶対に勝つと強く自分を信じてプレーしました」という若林の勝利に懸ける思いが勝っていたのは結果が示している。
「今季は予選通過が少なくシード権を気にしていたんですが、優勝争いをすれば結果シードはついてくると思います。この経験が無駄にならないようにしたい。悪いときは悪い。いいときに頑張る。それが自分なのだと思います」。そう会見を締めくくった野澤。また優勝争いを見せてくれる日は、決して遠くないだろう。(文・河合昌浩)
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