<日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 3日目◇11日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6680ヤード・パー72>
予選ラウンドの2日間はパープレーが続いていた渋野日向子のギアが、ようやく上がってきた。5バーディ・2ボギーの「69」とスコアを3つ伸ばして、トータル3アンダーの21位タイまで浮上した。
8月の海外メジャー「AIG女子オープン」(全英女子)など海外での転戦を続け、帰国後の自主隔離期間で失った感覚を取り戻しつつある。初日は「調整不足、準備不足」とパットにショットに四苦八苦したが、2日目には「このスコアで回れたのはパットのおかげ」とまずはグリーン上の修正に成功した。
さらに3日目にはショットもよくなった。「前半ドライバーもアイアンも調子がよかった」と出だしから連続バーディを奪うなど安定感抜群のプレーを展開。後半は「力んでしまって曲げてしまった部分もあった」と、朝ほどの状態ではなかったが、上がりの9番をバーディで締めるなどパープレーにまとめた。
距離、方向性はもちろん、こんな部分にも復調を感じる。「きょうみたいに今回もかなりコンパクションとかグリーンも速いので、ランがすごく出ると思うんですけど、スピン量もちょっとずつ増えてきて、ランの計算が少なくて済む。3日目の前半にしてちょっとずつ合ってきた」。グリーンで止められるボールが、粘りのゴルフから攻めのゴルフへ転換させた。
予選ラウンドでショットが曲がってしまっていたからこそ、生きていることもある。それが左ラフのピンまで112ヤードの距離から、ピンに絡めて奪った2番のバーディだ。「予選であれだけラフに打っていれば、そろそろ合わせんといけんなぁと(笑)。ショートアイアンでもありましたし、ピンも奥だったので、これでランが出るだろうなという想定で何ヤードに落として、ラフにこれくらい食われるかというのを計算して打てた」。15ヤードのランを計算して97ヤード地点に落とそうと狙い、ラフで距離が落ちることを考え105ヤード打つ計算でスイング。見事99ヤード地点に落としてピンに絡めた。
日に日に状態がよくなり、2日目の粘りのゴルフ、ショットが戻ってきた3日目のゴルフとその日のコンディションに合わせたスタイルでメジャーのセッティングを乗り越えている。首位との差は9打と離れたが、トップ10まではたった2打。「これから調整して、いい状態で臨めるように頑張りたい」。ここからさらに状態を上げて、この4日間の集大成を見せつける。
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