<リシャール・ミル ヨネックスレディス 2日目◇4日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6475ヤード・パー72>
今季からツアー本格参戦する19歳のプロ2年目・岩井千怜が5バーディ・ボギーなしの「67」で回り、トータル4アンダーでホールアウト。前日の32位タイから首位と2打差の2位タイまで浮上してきた。
「きょうはスタートから無我夢中でプレーしていて、それが自分のプレーを引き出してくれたんだと思います」。スタートの1番パー5ではピンまで残り46ヤードから、15番パー4では残り96ヤードから、ともに1メートル弱につけるスーパーショットを見せた。「100ヤード以内のショットがピンに絡んだのはけっこう手応えがありました」と納得のいくゴルフを展開できたことに笑みもこぼれる。
QTランキング90位のため、今季ここまでは推薦での出場になっている。規定では年間8試合までしか推薦出場はできないが、6試合を消化した時点でメルセデスランキングで100位に甘んじている。出場できる試合は今大会を含め残りは2試合。第1回リランキングが行われる5週後の「ニッポンハムレディス」(7月7〜10日)終了時までに、順位を大きく上げておく必要がある。
いわば背水の陣で臨んだ今大会は、昨年9月から用具契約を結ぶヨネックスが主催する大会でもある。ホステスプロとしてのプレッシャーも少なからずあっただろう。にもかかわらず、好位置で最終日を迎えたことには理由がある。
「すべてのホールで無理にピンを狙ったりするのではなく、コースマネジメントに徹しながら、攻めるところは攻める、刻むところは刻むといったように、メリハリをつけたプレーを心がけるようになりました」
当初は、やはり早く結果を出したいという気持ちもあったのだろう。ティショットでは当たり前のようにドライバーを持つことが多かった。しかし、岩井のゴルフを見守ってきた父親の雄士氏によると、最近はウッドやアイアンをティショットで使用する姿を目にする機会が増えたという。「ブリヂストンレディスに出場したとき、いくらティショットを飛ばしても、ラフに入れると難易度が上がることを実感したのか、それ以来、ドライバーを持つ機会が減りましたね」と雄士氏は証言する。
もちろん、マネジメントだけではない。オフシーズンはもちろん、シーズンに入ってからも大学などでトレーニングに励んだことで、ドライバーの飛距離が昨年よりも10〜20ヤードアップ。ここ一番でバーディを奪取したい時の武器になっている。
ホステスプロとして臨んだ大会でツアー初優勝を飾れば、ドラマチックではあるが、岩井自身に気負いはない。「自分のやるべきことをやるだけだと思います」。2日目と同じように無我夢中で最終日を戦うつもりだ。(文・山西英希)
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