<資生堂レディスオープン 事前情報◇29日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6570ヤード・パー72>
クラブ契約をフリーにするなど新規一転今シーズンに臨んでいる原英莉花。上半期を終えてここまでの戦いを、自分が好きな数字の9の倍数にちなんで「27点!36はいけないかな…(笑)」と評した。
良かったのは昨年悩まされた腰痛の不安がなく戦えていること。「オフを考えたら一番うれしいですね」。メスを入れることまで考えさせられた悩みがひと段落したことは、シーズンを戦ううえでは大きい。
ただ、それ以外の部分では物足りない気持ちが上回る。「腰痛もあってオフに調整できなかった部分を、試合のなかで作っていくのが難しい」。腰痛を抱えていた時のスイングを直そうにも、転戦しながらではやりたいように作り上げていくのは難しい。
そういった状態のなかで、原が上半期に一番口にしたのが、「山登りして、バンジージャンプしているみたい」と独特な表現をしたメンタル面だった。練習で良くても試合でうまくいかない。ギアを上げたいところでブレーキを踏む自分がいる。初優勝時には「目の前に敵がいるのは嫌いじゃない」というほどの強い気持ちを話していたが、これがなかなか湧いてこない。
前週の「アース・モンダミンカップ」では予選落ちとなったものの、2日目には最多バーディタイとなる5つのバーディを奪うなど少しずつ持ち前のアグレッシブさは戻ってきた。それでも「調子的には悪くないかなと思うのですが、どこかで自分の不安だったり、グッと気持ちが入ったときの注意点というところをおろそかにしてしまったり。スイングに集中するのか、(試合の)流れに集中するのか。コースでのかみ合わせというのがうまくいっていない。自信とか一つ一つの自分の積み上げが足りないですね」と、フルスロットルにはまだまだといったところ。
それでも春先よりは、表情からも言動からも、不安が減ったようにも見える。「夏場になりますが、体力には不安ないです。一試合一試合向きあいながら、優勝目指して頑張れたらいい」。このトンネルを抜けた先に、“99点”の原英莉花が待っているはずだ。
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