<BMW選手権 2日目◇18日◇ウィルミントンCC(米デラウェア州)◇7534ヤード・パー71>
プレーオフシリーズ初戦の欠場につながった首痛への不安はまだ残るが、松山英樹が5バーディ・1ボギーの「67」のプレーで、リーダーボードを駆け上がった。トータル5アンダーまで伸ばし、逆転圏内にまで浮上。なにより前日よりも首を気にする場面も減り、18ホール完走後に浮かべたホッとした表情が印象的な一日だった。
「(首痛は)まだ、ましかなって感じですね。18ホールやるのが2週間ぶり。(前日は)疲れて、帰ったらいつの間にか寝てて、びっくりしました」。体力面も含め、完全に本調子に戻ったというわけではないが、それでも少しずつ前進を続けている。
この日は、1番で5メートルを決めてのバーディ発進。「スタートホールで入るっていうのは一番気分良くできますね」と、足取りも軽くなる。さらに3番、4番では連続バーディも奪った。2.5メートルを沈めた6番で1つバーディを追加。9番でボギーを叩いたが、前半だけで3つ伸ばすことができた。「ミスもありましたけど、やりたいことはできているんじゃないかな」という言葉も聞こえてくる。
後半は15番のバーディ1つにとどまったが、ホールアウトする時などの表情はやわらかい。あとはここから、“やりたいこと”の精度を高める段階に入る。「バーディは獲れてましたけど、ひどすぎる内容。スコアも大事ですけど、いいショットをもうちょっと打って、すっきりしたい気持ちがありますね。まあどっちも悪いよりはいいんで、よかったかな」。初日は28.57%だったフェアウェイキープ率も57.14%まで上昇。パーオン率は72.22%→61.11%と前日よりも下がったが、チャンスと呼べる場面も多く訪れたが、本人はもう一息といったところだ。
ヒヤリとするシーンもあった。ティショットを右前ラフ、バンカーの縁に打ち込んだ7番パー3の2打目の前には、素振りをしたあとにボールがラフからバンカーに転げ落ちた。素振りが影響していたらペナルティがとられるところだが、競技委員を呼んで説明しているところで、同伴競技者のジョン・ラーム(スペイン)も「彼の素振りは影響していない」とアシスト。「バンカーからの方がよかったな。ペナルティは取られないだろうなとは思っていました」。無罰の判定が出て、落ちたバンカーから3メートルにつけパーセーブと事なきを得た。
早い時間のスタートで、普段ならラウンド後に練習場へと向かうところだが、「やめておきます」。大事をとって、すぐにコースを後にした。週末のプレーについても「何も考えてないです」。ただ「明日、明後日もできればいい」ということを願うばかりだ。
「試合をやっているのは楽しい。ただ、まだそこまで(試合勘などを)求められるような体でもない。練習もしたいんですけど、まだ怖い。頭の中のイメージをしっかりつかんでやっていけたらいいなと思います」。この日の結果でトップ10付近まで上がってきたが、今はしっかりと体のことを考え、来週のシーズン最終戦をいい形で迎えることに注力する。
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