キャロウェイから2020年発売のマーベリック! 3モデルあるんですね。ジェイルブレイク(2本の柱)が搭載されていますね。
一番小さく見えるのが、マーベリックサブゼロ!サブゼロの特徴は、ネジが前と後についています。ネジの重さを変えることで重心深度を変えてスピンを変える仕組みですね。そして標準モデルのマーベリック。マーベリックはネジが後にひとつだけ。最後にマーベリックマックス!マックスが一番大きいです。マーベリックはローグの後継モデルだと聞いています。ローグのヘッドに一番近いのがマーベリックマックス!ヘッドの奥行きがルール最大級にストレッチ、後に伸びています。後に伸びていると球がつかまりにくくなるので、マックスにはウェイトがヒール側とバックフェースについていて重心アングルが大きくなるようにしています。ドローを打たせるためというよりは、この後方に膨らんだヘッドでも球をつかまえるためにネジが配置されています。
マーベリックとマックスは、シャフトがディアマナです。ヘッドが小ぶりで操作性が高い、左のミスが出づらいサブゼロはシャフトがツアーADのSZです。ヘッドが変わればシャフトも変わります。パンフレットには、更にAIが進化したと書いてあります。
マックスが一番やさしく、サブゼロはハードヒッター向きでプロが求めるヘッド形状ということです。ローグはAIフェースではありませんでした。AIだから飛ぶかどうかはわかりませんよね。トラックマンを使用して計測し、ボールはネクスジェンDスペックを使用して打ち比べます。
ローグは非常にやさしくて人気がありました。構えた感じは、投影面積が大きくて見た目がやさしいですよね。打ちます!うん、打ちやすいな。ヘッドスピードを上げてみます。
ヘッドスピード43.2m/sで258.6ヤード!今すぐゴルフパートナーに行ってローグを買ってください、とおすすめしたいくらい戦闘能力が高いです。なによりスイートエリアが広い!これは手ごわいよ~。
ローグに一番似ているマーベリックマックス。色は違いますが、どちらもソールがシンプルです。ネジはマーベリックマックスの方が多いです。ローグとの決定的な違いは、シャフトが非常に軟らかいです!Diamana 40ですので、40グラム台ですね。ターゲットはあまりヘッドスピードの速くない人でしょう。ヘッドスピードが40m/s前後の人にちょうどいい硬さです。 打ってみます。音が違いますね。ずしっとくる音です。シャフトが軟らかいのでヘッドスピードを少し落として打ってみました。この大きいヘッドで重心が深いのにスピンレートがものすごくいい2230です。ヘッドスピードが遅いのに飛距離は259.1ヤード、ローグを超えました!ワッグルして感じたのが、ヘッドの重さを感じます。特にトップでヘッドの重さを感じるので、けっこうインパクトエネルギーは強いですね。もうちょっと振ってみましょう。264ヤード!ローグより6ヤード伸びました!
AIを超えたAIフェース、打音がマイルドです。これだけヘッドの奥行きがあるのに、低スピン弾道が打てるということにおどろきました。
このヘッドを見たときには、キャリーが出やすくてスピンがそこそこ入るんだろうなと予想していました。すごいですね、このヘッドで低スピンの球を打たせるというのは、キャロウェイ頑張りましたね。
マーベリック。ローグの後継機ですが、マーベリックはクラウンの形状がエピックフラッシュに似ていますね。ヘッドサイズ的には、マーベリックのライバルはエピックという感じがします。シャフトはDiamana50のSですね。ヘッドスピード40~45m/sくらいの人向けです。
打ってみます。お~!これはさらに低スピン!259.9ヤード!すごいな~。実は、ボール1個分くらい芯を外したのに飛距離が落ちていない。打った感じもエピックですね。ローグという感じではないです。非常にコントロールしやすいです。もう1回打ちます。お~!!267ヤード!シャフトがしっかりしている分だけ、ヘッドスピードが上がっています。
マーベリックはスピンをコントロールしやすいですね。上級者向けというわけではなく、オールラウンダーです。バランスがいいですね。ただし、オートマチックに低スピンが打てるのは、マーベリックマックスの方です。
僕は歴代のサブゼロというモデルは得意ではないんですよ。なぜかというと、左のミスが出づらい反面、ちょっと球がつかまりづらいんです。球がつかまりにくいと余計な動きをしてしまうので、これは僕のスイングとの相性なんですけど試打してもあまりいいデータが出ないんですよ。でも先入観を捨てて打ってみます。ヘッドはコンパクトでディープフェースです。ハードヒットしなさいというクラブですね。
シャフトはマックスと比べると2フレックスくらい違います。 打ってみます。低スピンだ。やっぱりボールが全然上がってません。リアルロフトがけっこう立っています。ヘッドスピード43m/sでも手強いです。力がないと球が上がらないかもしれません。LAUNCH ANGLE球の打ち出し角が8.6度、BALL SPEEDは65.6m/sでけっこう前に出るので、僕のヘッドスピードだと9°はハードです。10.5°だと違うかもしれません。
ティーを高くして打ってみます。これでLAUNCH ANGLが12.6度に上がりました。僕のヘッドスピードだとスピンが1910。スピンをもうちょっと増やしたいですね。
サブゼロはヘッドスピードが速い人とか、スピン量が非常に多い人だとめちゃくちゃ飛ぶクラブですね。うーん、やっぱり手強いです。
僕が一番いいデータが出たのはマーベリックマックスです。ほんとにうまく作ってあって、マックスで飛距離が出る人はサブゼロでは飛距離が出づらい。逆にマックスでいまひとつ飛距離が伸びない人はサブゼロを使えば飛距離が伸びる。メーカーがクラブのキャラクターをはっきり分けていることがこの試打で証明されました。低スピンというのはキーワードです。ローグもいいクラブですが、何が進化したのかというと、まずフェースのスイートエリアが広い。そしてスピンコントロールが明確になりました。マーベリックは3機種すべてで低スピンが打てます。
マーベリックのスタンダード、優等生的で説明しづらいクラブですが、僕は気に入りました。マックスは構えたときに安心感がある反面、振りやすいかといわれると、ちょっともっさりしている感じがします。ヘッドスピードがある程度ある人で45m/sくらいまでの人はマーベリックがおすすめ。バランスのよさを求めるならマーベリック。マーベリックはスピンをコントロールしやすいです。
とにかくスピンを減らしたい、球が上がって困る、ヘッドスピードが速くて球が吹き上がるような人はマーベリックサブゼロがおすすめです。サブゼロは低スピンに特化しています。今までのサブゼロとは違って右にすっぽ抜ける感じはないです。
そして、僕が一番飛んだのはマーベリックマックスです。ローグと打ち比べてみて、6ヤード違いました。フェースの反発は決まりがありますから、何が違うかというと、スイートエリアが広いことと、スピンが減りづらい形状のマックスのヘッドで低スピン弾道が打てること。オートマチックに低スピンが打てます。1ヤードでも飛ばしたい、ローグのやさしさは好きだけどあともう少し飛ばしたい、やさしく見えるヘッドで飛距離を出したいという人は、マーベリックマックスをおすすめします。
やっぱりクラブは新しい方がいいよね。オレンジ色も鮮やかです。今回の打ち比べで3つのモデルのキャラクターの違いが非常にはっきりしました。皆さんもマイクラブや過去のクラブと打ち比べた方が、このクラブのよさがわかると思います。
マーク金井 (プロフィール )
1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。