今回はなんと!試打職人で初めてレディースクラブを試打します!8年ぶりに登場したネクスジェン7のレディースモデル、満を持して登場したクラブです。ネクスジェン7レディースと、他のレディースクラブを打ち比べます。女性の場合、平均的なヘッドスピードは35m/sぐらいです。レディースクラブはヘッドスピード35m/sくらいの人が打ちやすいように作られています。ですので、私も今日はヘッドスピードを35〜36m/sぐらいに抑えて試打します。クラブの性能を知る上で、適正なヘッドスピードで試打することが大事です。
フェースの弾きとこだわりのシャフト
まずは、ネクスジェン7から試打します。まず驚いたのが、ロフトが14°です。飛びの要素として高打ち出し低スピンが大切といわれています。女性もしくはヘッドスピードが遅い人の場合、12°〜14°ぐらいが最適な打ち出し角度とされています。ネクスジェン7レディースドライバーはロフトが14°です。最適の中でも少し高めです。シャフトはネクスジェンのお家芸で、ワンフレックスです。ワンフレックスで全てに対応します。クラブの重量はあまり軽すぎない260グラム。これは女性用のクラブの中では重いわけではありませんが、ものすごく軽いわけではない。やはり全体のバランスを意識して設計してありますね。 クラブが44.75インチ、ヘッドの体積は430ccで大きすぎないですね。ヘッド重量が188グラム、これは男性用のクラブに比べると10グラムぐらい軽いんですけど、女性用の中では軽いほうではないですね。やはりボールをぶつけて打つゴルフクラブの特性上、あまり軽すぎると当たり負けするので、当たり負けが出ない程度の重さになっています。
構えてみるとまず目に入るのがフェースの向きです。少しフックフェースになっています。女性ゴルファーもスライサーが多いので、球がつかまる顔つきになっています。では打ってみましょう。シャフトは手元が非常にしっかりしていて中間部分からきれいにしなります。色は鮮やかなブルー、シャフトもブルーです。構えた瞬間にドローしか出ないという感じがしますね。いい音!おお、いい感じですね。打ち出し角度が約15°、高いキャリーが出やすいですね。スピンレートが3,300rpmで少し多めですが、ヘッドスピードの遅い人はボールが浮くほうがいいですからね。飛距離は192.8ヤード、200ヤードに届きそうです。女性で190ヤード飛べばかなりの飛ばし屋です。ヘッドスピード35m/sぐらいだと、ちゃんと飛んで170ヤードくらいです。女性の場合、ドライバーの飛距離は170ヤードがベースになるので、180ヤード、190ヤード飛ぶドライバーというのは「飛ぶドライバー」ということになります。何よりびっくりしたのがフェースの弾きです。打音が高反発かと勘違いしてしまうぐらい、いい弾き音がします。もう1発いきます。あまりにもシャフトがきれいに動いたんで、軽く打ったんですがヘッドスピードが37.9m/sとちょっと上がってしまいましたが、トータルの飛距離が212.8ヤード。女性の方でこんなに飛んだら、コンペで全部ドラコンが取れちゃうようなクラブですね。
特徴的なのはフェースの弾きとシャフトです。キックがすごく効きます。男性用のネクスジェン7と同じで、ヘッドだけではなくシャフトにもこだわりを感じます。 ただ、ネクスジェン7ドライバーを打っただけでは他のクラブとの差が伝わりませんので、他の売れ筋レディースドライバーと打ち比べたいと思います。
バランスがよく打ちやすい
まずはゼクシオ。男性用もゼクシオは人気ですが、レディースクラブでもやはり一番注目を浴びているのはゼクシオです。ゼクシオがどれぐらい飛ぶのか、打ち比べてみましょう。ゼクシオのフェースの向きもやはりフックです。ロフトが13.5度。シャフトは鮮やかなブルー。シャフトは手元がしっかりして中間から先がしなります。ゼクシオはヘッドがかなり大きいです。打ってみます。ああ、やっぱりゼクシオは打ちやすいですね。データ的にはネクスジェン7ドライバーと似ていますね。ヘッドスピードが35.7m/sで191.3ヤード。ゼクシオはやはり戦闘能力が高いですね。スピンは3,200rpm、キャリーが出やすいですね、キャリーで168.3ヤード。非常にバランスがいいクラブです。
ネクスジェン7とゼクシオのどっちが飛ぶんですか、という質問が一番困るんですが、万人向けの正解はありません。ヘッドの大きさがまず全然違います。ゼクシオのほうがヘッドが大きく、一回り大きいんです。とにかく大きいヘッドを使いたい人はゼクシオのほうが、たぶんいいと思います。長さとヘッドの大きさの総合的なバランスがいいのはネクスジェン7です。そして、シャフトの弾き感と、フェースの弾き感がいいのもネクスジェン7ですね。音から来るフィーリングはネクスジェン7のほうが、飛ぶイメージ、飛ぶ感触が得られます。
キャリーを重視するならオノフ
続いてこれも本当に女性に根強い人気のあるクラブ、オノフです。オノフはパープルですね。オノフを構えてみます。オノフはそんなにヘッドが大きく見えませんね。でもやはり女性用クラブは作り方が似ています。ヘッドが445ccと460ccより少し小さく、少しフックフェースになっています。このクラブは少しフェースがシャフト側に寄っているので、重心距離を短くしたいという意図がうかがえます。打ってみます。うわ、さっきのネクスジェン7とゼクシオに比べると、オノフはさらにシャフトが軟らかいです。もう手元から全部しなります。
特長的なのが、グリップです。オノフが一番グリップが細いです。より非力な人を意識してつくられているのかなと僕は思いました。35m/sで打ってみます。おお、ど真ん中ですね。キャリーは他の2本と同じぐらい出ているんですけど、ちょっと打ち出しが16.2度と高いですね。これはなぜ高いかというと、シャフトが非常に軟らかくて特に先端が軟らかくヘッドがアッパーに動く度合いが大きいからです。
キャリーがとにかく欲しい人、つまりヘッドスピードが遅くて谷を越えない、バンカーを越えない、池を越えないという人にはオノフがいいですね。キャリーを優先するならオノフ。ランがちょっと出づらいですが、キャリーが欲しい人にはいいですね。
ランで飛ばすならインプレス
続いては、ぶっ飛び系アイアンで有名なインプレスです。インプレスのレディースドライバー。インプレスもブルーですね。インプレスの一番の特長は、男性用もそうですが、FPと呼ばれているシャフトとフェースの距離ですね。アイアンでいうグースネックのようにFP値が小さい。FP値が小さいとヘッドが返りやすい。
オノフと決定的に違うのが、インプレスはフェースが面長なんです。オノフのほうはフェースを短くすることでヘッドを返りやすくしている。インプレスのほうはフェースを長くすることで慣性モーメントを大きくしている。打点のぶれに強いということですね。インプレスはヘッドが大きいですね。シャフトの硬さでいうと、ネクスジェン7とゼクシオが同じくらい、一番軟らかいのがオノフ、インプレスはその中間ぐらいですね。35~36m/sの人が打ちやすい感じです。では、打ってみましょう。おお、198.2ヤード、飛んでますね。ただ、見落としてはいけないのが打ち出しが低いです。そしてキャリーが155ヤードです。さっきのオノフはキャリーで160ヤードを越えていました。そうすると、池を越えたり谷を越えたり、どっちがしやすいですか?オノフですよね。インプレスのほうは平らなフェアウェイで、ランが40ヤードぐらい計算されているんです。ランが出やすいフェアウェイだったらインプレスは飛びます。ただ、飛距離が地面のコンディションや風に影響されやすいです。
キャリーを重視するならオノフ。ランで飛ばすならインプレス。総合的に飛ばしたいのであれば、ネクスジェン7とゼクシオ。
さあ、どっちを選ぶか。「マークさん、本当のところはどっちなんです?」と聞かれても、ホントもウソもありません。ゴルフクラブは打ち手によって合うクラブが違います。最後に決勝戦ということで打ち比べてみましょう。女性の方が使っていそうなディスタンス系ボールで打ってみます。まずはネクスジェン7。やっぱりヘッドとシャフトのつながりがいいですね。35m/sで打ちます。おお!キャリーが出てスピンが少ないのでほぼ200ヤード近い、194ヤード。いいデータですね。やっぱりボールが変わるとちょっとデータが変わりますね。次に、ゼクシオも同じボールでいきます。35.4m/sで188ヤード。これはゴルフパートナーの番組ですが、圧倒的にネクスジェン7がいいということではありません。やはりゼクシオはゼクシオの良さがある。どっちを選ぶか。シャフトのフィーリングや音のフィーリングは、僕はネクスジェン7がいいと思います。とにかく大きいヘッドを使いたい人はゼクシオ。全体のバランスと、フェースのはじきならネクスジェン7。やはり売れているクラブというのは、飛びますね。当たり前ですけど飛ばないクラブが売れることは絶対にありませんから。甲乙付け難しですが、僕の中ではシャフトのフィーリングが好きなので、まずはネクスジェン7を試打してみてはいかがでしょうか。
マーク金井 (プロフィール )
1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。