ゴルフパートナーと言えばネクスジェン!今回はネクスジェン7アイアンです。ネクスジェン7のドライバーは試打職人でも紹介しました。満を持してアイアンの登場ということですので、私がつつみ隠さず試打してみたいと思います。通常、僕がアイアンを見るときはヘッドからみますが、ネクスジェンの場合はEIFシャフト、シャフトの設計にこだわりを持っています。自分で頑張って振らなくてもシャフトが仕事をしてくれます。ゴルフが上手い人はシャフトが仕事をしているとよく言われますが、このEIFシャフトは、ゴルフの腕前に関わらず仕事をしてくれます。仕事をするというのは抽象的ですが、具体的に言えば、シャフトのしなりとしなり戻りをうまく発生させて、使いやすくタイミングが取りやすいという意味ではないかと僕は思います。
アイアンで一番大事なのはヘッドです。ヘッドを見ると言うと、皆さんはバックフェースを見てデザインがかっこいいとか言ったりしますが、見るべきはそこではありまんせん。アイアンというのは、見るべきポイントが2つあります。 まずひとつは、ソール幅。
ソール幅を見ないとクラブの特性がわかりません。ネクスジェン7アイアンはソール幅が広いです。ソール幅が広いということは、皆さんご存知のとおりダフリに強い、というだけではなく、ソールに重量があるということです。ソールに重量があるということは、重心が低くなります。そしてソール幅があるということは、フェースの後ろ側にも重量を持ってこられるので重心が深くなります。横から見たときにフェースの裏側がこれだけ張り出しているということは、フェースから遠い位置に重心があることがわかります。ですのでクラブの仕様書を見なくても、ソールだけ見ればクラブの重心の高さ、深さがわかります。 もうひとつ見るべきポイントはネックの長さです。
ネックが長くなればフェースの芯より遠いところが重くなりますから重心が高くなります。逆にネックが短くなれば重心は低くなります。このネクスジェン7アイアンは見るからに重心が深くて低いことがわかります。
ソールを見てびっくりしたことがあります。ネクスジェン7アイアンはソールにちょっと段がついているんです。ソール幅は広いですが、接地面積はそこまで広くありません。一般的なアイアンに近いです。接地する面積をわざと減らしてバウンス角をちゃんとつけています。地味なポイントですが大事です。ネクスジェン7アイアンは見るからに飛び系アイアンですが、7番のロフトが29度です。
最近の飛び系と言われるアイアンは27度、26度の7番が増えていますので、ネクスジェン7アイアンはかなり真面目に作られているなと思います。バウンスがあるということは後ろが高いので、ハンドファーストに打ちやすいんです。ということはバウンス角をつけるとロフトが立って球に当たりやすいんです。ネクスジェン7アイアンが7番を29度にしたのは、バウンス角をつけるためだと思います。27度にバウンス角をつけてしまうととんでもなくロフトが立ってしまいますから。他社の飛び系アイアンはバウンス角がほとんどないと思います。アイアンは少しハンドファーストに打ちたい僕としては、バウンス角のあるネクスジェン7アイアンは、アイアンらしい機能を残しているクラブだと思います。
シャフトは軽いですが、しなるので重さを感じます。構えてみると、ソールの広さを感じます。打ってみます。ちょっとトップしました!トップしても166.3ヤード飛んでます。トップしたのでスピンは結構かかって6036回転です。もう一回打ちます。うん、いい感じ!
ミート率1.4で168.7ヤード。僕が普段使っている7番アイアンはロフト31度で155〜158ヤードくらいなので、普段より一番手飛びますね。ネクスジェン7アイアンはロフト29度ですからそんなにロフトが立っているわけではないですが、170ヤード近く飛びました。シャフトのしなりが非常に気持ちいいです。スピンは5840回転なので結構入ってますね。ロフトが立ちすぎていないのがいいですね。もう一回打ちます。
うん、数値は安定していますね。167.2ヤード、スピンは6172回転。スピンが入っていいですね〜。アイアンですから、あまりにも止らないボールは嫌ですからね。もう一回打ちます。171ヤード。安定して170ヤード前後飛んでますね。7番ですよ?普段の僕の7番アイアンより12〜13ヤードくらい飛んでますね。ロフトは29度ですが、バウンス角がしっかりついているのでハンドファーストにボールを捉えられます。ソール幅が広いからはらって打つのがいいと思われるかもしれませんが、ネクスジェン7アイアンに関しては、ソールの3分の1くらいのところに段差がついているので、接地面積はソールの3分の2程度なんです。見た目より接地面積は少ないです。非常に考えて作られていますね。
では、飛び系アイアンと比べてどうなのか?ネクスジェン7アイアンと並べてみると、同じ7番なのに飛び系アイアンは1番手分くらいロフトが立っているのがわかります。
バウンスはほとんどついていません。バウンスがないのが好きな人もいますし、悪いというわけではないのですが、バウンスがないとアイアンらしさがなくなりますよね。打ってみます。フェースが開いてしまいました。バウンスがないと開いて当たりやすいです。ネクスジェン7アイアンは重心アングルが大きくて結構効いているんです。同じように打ってもヘッドがターンするので、ネクスジェン7アイアンの方がつかまりがいいですね。
この飛び系アイアンはソールが全く跳ねません。シャフトの根元側がしっかりしているのでやわらかい割にはしならないですね。つかまるように打ってみます。つかまりました。つかまった割には飛距離が出ませんね。バウンスが少ないクラブは僕には違和感があります。
もう一本いってみましょう。このアイアンはソール幅がとてつもなく広いです。段がついていないので、全部接地します。バウンスはありません。フラットか、ややスクープ気味です。構えた感じは、飛びそうです。5番アイアンくらいロフトが立っています。
打ってみます。うーん、当たっていない。これもシャフトはしっかりしていますね。もう一回打ちます。音がウッド。飛びましたね。ロフトが立っている強さが出ました。フェースが薄くて形状はアイアンですが、打った感じはユーティリティですね。7番で1ヤードでも飛ばしたいというならばストロングロフトを否定しません。ただ、ストロングロフトのアイアンはランが出やすくなったり、ダウンブローで打てないのでライを選んでしまいますね。
今回打ったストロングロフトのアイアン2本と比べると、ネクスジェン7アイアン7番のロフトが29度というのはちょうどいいくらいですね。そしてシャフトのしなりがいいのでタイミングが取りやすいです。7番でどこまで飛距離を伸ばすのか。やはり飛ばないよりは飛んだ方がいいでしょうが、ネクスジェン7も168ヤードくらい飛んでますので僕はこれくらいでいいのではと思います。もう一回打ちます。ちょっとフェースが開いて当たりました。6650回転!すごいスピンがかかっていますね。すごいな。ウッドとの統一感もあります。もう一回打ちます。170ヤードです。距離感が安定していますね。アイアンは距離感が大事ですよね。安定して168〜170ヤードの間、2ヤードしか距離が変わらない。重心設計とシャフトのしなりのおかげでしょうね。
ヘッドとシャフトとグリップ、この3要素でクラブは構成されています。ネクスジェン7アイアンは飛距離も出しつつ、アイアンらしいスピンがかかる。何よりインパクトで安定してハンドファーストで打てるので、距離感が安定します。
ゴルフ、特にアイアンで大切なのは、飛距離プラス安定した距離感です。安定した距離感が出るネクスジェン7アイアンは、単なる飛び系アイアンではなく、飛距離も出しつつ、距離感も安定する。飛ぶだけではなく、スコアも作れるアイアンです。
マーク金井 (プロフィール )
1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。