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マーク金井の試打職人

【SIMドライバー日米モデル比較】USモデルのほうが飛ぶって本当?<スッパ抜き試打!>

ヘッドは同じ、違いはシャフトのみ

今回は、テーラーメイドのSIMドライバーのUSモデルと日本モデルを比較します!試打職人で初めての企画、大胆かつ興味深い企画です。あれ?同じクラブじゃない、これ?というくらい似ている2本です。ロフトは9°で同じです。シャフトが違います。どちらも三菱ですが、日本モデルがTENSEI、USモデルがDiamana60黒。これは初めて見ます。かつては、USモデルと日本モデルではロゴの色が少し違ったり、見た目で違いがわかるようになっていたんですが、今回比較するSIMの2本は、ヘッドのデザインにまったく差がありません。違いはシャフトだけ。

「USモデルは硬くて日本モデルは軟らかい」って本当?

クラブの長さを比較すると、0.25インチくらいUSモデルのほうが長いです。長いということは、当然バランスが出ます。日本モデルはD3、USモデルはD5。2ポイントの差があります。2ポイント違うと、振って差がわかります。

よくUSモデルは硬くて日本モデルは軟らかいといわれますが、ワッグルした感じではこの2本に極端な差はありません。その理由のひとつとして、今回試打する日本モデルのシャフトがTENSEIということがあります。非常にしっかりしたシャフトで50グラム台です。USモデルはDiamanaの60グラム台。アメリカではいろんな種類のシャフトが発売されていると思いますが、今回試打するのは60グラム台。やっぱり、しなりの量は少ないです。 ヘッドに関してはほとんど同じです。構えたときの顔の見え方もヘッドの色も同じです。間違い探しをして、無理やり見つけた違いが、ライ角です。USモデルのほうがほんの少し、0.5~1°くらいスタンダードポジションのときにライ角がアップライトです。アメリカ人のほうが日本人より背が高いので少しアップライトにする傾向があるとはいえ、まあでも誤差かな、くらいの違いです。

 

 

★【日本モデル】 SIMドライバー 9° TENSEI SILVER TM50 (S)★

 

僕は今までSIMは何回も打っていますが、あらためて打ち比べてみましょう。まずは、日本モデルから打ちます。ロフトは9°です。構えてみると、リアルロフトが少ないです。少し開いて当たりました。開いて当たった分だけ打ち出しが高く出ました。やっぱりしっかりしてますね。日本モデルの中でもTENSEIシャフトのSIMは、しっかりしているんですよ。もう一発行きます。スピン量が2110rpm、低スピンで球をつかまえる、SIMらしい低スピン弾道です。

 

 

★【USモデル】 SIMドライバー 9° Diamana S60 LIMITED (S)★

 

USモデルはどうなのか、打ってみます。これはね、けっこう歯ごたえあるよ。う~ん、つかまらん!球がつかまりません。第一印象として、USモデルのほうが叩いても左に行きづらいというか、ヘッドが返る方向にシャフトがしなりません。これは、シャフトの違いですね。ヘッドの挙動はあんまり変わりません。

けっこういいデータが出ましたね。僕は昔からUSモデルが好きなんですよ。もう一発行きます。お!意外とうまく打ててますよ。理由のひとつは、シャフトが硬いので一生懸命振ること、もうひとつは、シャフトの手元が太く、グリップも太いことです。僕は手が大きいので、USモデルを握った後で日本モデルを握ると、細くて手の中でクラブが余っている感じがします。特にシャフトのバットの太さが違います。

手の小さい人にはUSモデルは厳しいかもしれません。USモデルはグローブのサイズが25~26センチくらいの人がちょうど握りやすいです。グローブのサイズが22~23センチくらいの人には日本モデルがちょうどいいです。日本モデルは、日本人の平均的な手のサイズにちょうどいいグリップ、シャフトの太さに設定されていますね。

どちらがいいかというのは、ひとそれぞれの好みですね。びっくりしたんですよ、263ヤードとすごく飛距離が出ました。低スピンで距離が出ているので、ランが出ているだけなんですよ。シャフトの手元が太いということは、手元がしなりません。シャフトをしならせるには、パワーが必要です。

 

 

グリップが細いほうが球がつかまる

日本モデルのTENSEIシャフトもしっかりしているんですけど、これは好みもあると思いますが。もう一度日本モデルを打ってみます。グリップが細いほうが球はつかまりますね。今、そんなにつかまえたつもりじゃなかったのに、けっこうきれいにつかまっています。

 

USモデルのほうが低スピン

USモデルのほうは、グリップが太いですが、僕は手が大きいのでしっかり握れます。しっかり握れるから叩けるのかな?USモデルのほうが低スピン感がありますね。スピン量が1860 rpmと少なすぎるので、キャリーは明らかに減っています。

 

 

どんな人に向いている?

結論いきましょう。SIMドライバーのUSモデルと日本モデルでヘッドには差がありません。ヘッドの重量を量りましたが、ヘッド重量は全く同じ。誤差範囲以上の違い、明らかな設計上の違いは感じられません。打った感じもヘッドはどちらも同じ。違いはシャフトとグリップの太さです。

グリップを太くするには、下巻きやグリップを変えることでアレンジができます。グリップの太さが最初からほしい、よりしっかりしたシャフトで少し重めのクラブがほしいという人にはUSモデル。どちらが飛びますか、とよく聞かれますが、どちらが飛ぶかではないです。対象ユーザーがしっかり分かれています。手が大きくてパワーがある人、日本モデルだとシャフトがもの足りないという人にはUSモデル。ヘッドスピードが平均的な人、ヘッドスピードが速くても手がそんなに大きくない人には、日本人の体型や手の大きさによりマッチしている日本モデル。無理やり差別化しましたけど、今までのUSモデルと日本モデルに比べれば、ヘッドに大きな差はない!これが結論です。

 

 

 

マーク金井 (プロフィール )

1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。

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