ネクスジェン史上、最強弾道!NEW NEXGEN 誕生の軌跡

2014年に登場する「NEW NEXGEN」は、歴代シリーズでは味わえなかったスピード感と球の強さを持つモデルに仕上がった。史上最高の飛距離性能を持つクラブはいかにして作られたのか。開発の裏側、エピソードを開発者の櫻木博公が語る。

ドライバー2モデル、FW&UTの構造

ドライバー2モデルのそれぞれの特性

ニューモデルの「ネクスジェンドライバー」は、これまでお話ししてきたコンセプトの下、460㎤と440㎤のヘッドを用意しました。どちらのモデルも苦心したのは、前重心にするための余剰重量をどこから取るのかということ。前重心にするには、ソールのフェース寄りにウエイトを付けなければいけません。しかし、ソールやクラウン部は元々肉薄設計ですし、フェース面の重量を落としてしまうと反発力が損なわれます。それでも限界に近いヘッド構造の中からヘッド総重量の10%強を確保し、2つのモデルを完成させました。

 460㎤のヘッドは、前重心ながらフォルムはストレッチを利かせて奥行きを感じるデザインに。シャローフェースで投影面積を大きくし、やさしさを持たせました。一方、440㎤のヘッドにはアジャスタブル機能を付けました。自分の腕やクセを把握した上で球筋を作っていくプレーヤーのために、ひと回り小さくしてコントロール性を確保。こちらのモデルはネックにアジャスタブル機能を付けたことで12g程度の重量を使っているので、トゥ側にウエイトを入れて振りやすい重心バランスを作りました。

フェアウェイウッド、ユーティリティの特徴

 フェアウェイウッドとユーティリティもドライバーと同じく、ヘッド重量を上げずにハンマーバランス設計にし、前重心のヘッド構造で開発しました。ドライバーに比べてヘッドが小さい分、内部に装着するウエイトの割合を上げていかなければ前重心バランスを作り出すことはできません。ドライバーではヘッド全体の重量の約10%強のウエイトが必要でしたが、フェアウェイウッドとユーティリティではそれ以上が必要になります。重さにして33~35g程度、ヘッド総重量の約15%のウエイトをフェース寄りのソールにつけて、前重心の特性を生かした「走るヘッド」を開発しました。

 シャフトもドライバーと同様に、中間部の剛性が高く、手元部に軟らかさを感じるモデル。振りやすさを維持しながらヘッドを効かせて振ることができるシャフトです。もちろん、トルクも大きめに設計し、球の上がりやすさとつかまりの良さを演出しています。ニューモデルを打つ人によっては、ドライバーよりもフェアウェイウッド、ユーティリティの飛距離性能を感じるかもしれません。それくらい完成度の高いモデルに仕上がっています。

  • 逆転の発想を取り入れた「ハンマーバランス」
  • 前重心ヘッドとの衝撃的な出会い
  • 前重心デメリットの解決法
  • ニューモデルのシャフトとヘッド
  • ドライバー2モデル、FW&UTの構造
  • 今後はハンマーバランスで“長尺化”を追求

プロフィール
櫻木博公
(さくらぎひろたか)氏

1944年生まれ。20年以上前からゴルフクラブの輸入、販売に携わる。その後、クラブデザイナーの竹林隆光氏との出会いをきっかけに革新的なクラブを開発。現在は、ゴルフパートナーの顧問として「ネクスジェン」のクラブ開発を行っている

NEXGEN開発責任者、櫻木氏が雑誌ALBA2月13日号に取上げられました!